子どもたちにとって勉強の時間がたっぷりある夏休み。親子で楽しめ、自由研究などの宿題にも生かせる科学をテーマにした工作を、5回にわたり紹介します。
発泡スチロール製の食品トレーを
熱で溶かして作る「エコしおり」
スーパーで肉や魚などを買うと、食品トレーがゴミとして残ってしまいます。今回は、食品トレーをリサイクルした、オリジナルのエコしおりづくりを紹介します。
準備する道具と材料は、アイロンと穴あけパンチ、リボンと食品トレーです。はじめに、食品トレーを9×4センチの短冊型に2枚切ります。この大きさはあくまで目安です。好きな大きさ、形に切っても構いません。
そして、2枚の食品トレーの間に、好きな形に切った色紙の紙片を挟みます。その後、クッキングシートに挟み、クッキングシートの上から温めたアイロンを30秒ほど押しつけながらあてます。このとき、長時間アイロンをあてていると、食品トレーが溶けてしまい、穴が開くことがありますので、注意してください。食品トレーが縮んだら、厚みのある本の間に挟み、熱を冷まします。
最後に穴あけパンチで好きな所に穴をあけ、リボンを通せば、しおりの完成です。一般的な白い食品トレーで作ってもきれいですが、色付きや柄が描かれている食品トレーで作るのもお薦めです。
食品トレーは発泡スチロールでできています。発泡スチロールは原料となるポリスチレンを蒸気で約50倍に膨張させたもので、容積の98%が空気でできています。そのため非常に軽く、持ち運びが便利です。また、空気をたくさん含むため、保冷性や保温性にも優れ、冷たいものは冷たいまま、温かいものは温かいままに保つことができます。
今回の工作では、発泡スチロールを溶かし、中に含まれていた空気を逃がすことで、数ミリの厚さまで薄くしています。ぜひ「エコしおり」を作って、発泡スチロールがほとんど空気でできていることを実感してみてください。
(郡山市ふれあい科学館 事業課 後藤 利貴)
2009年8月13日 福島民友新聞 郡山版「夏休み工作教室 科学で遊ぼう!!」より