2013年11月29日の明け方に、アイソン彗星が太陽に最接近し、その前後は明るく光り、肉眼で観測が出来る可能性があると期待されておりました。郡山市ふれあい科学館ではこの機会に、来館者の皆様へアイソン彗星をはじめとする彗星全般について理解を深めて頂きたいと思い、「アイソンスペシャル!」の企画を 2013年11月9日(土)〜12月8日(日)の期間実施いたしました。
当企画では、今まで観測された彗星をパネル等で紹介し、プラネタリウム番組や展示解説ツアー、ワークシートなどで体験しながら学んでいただきました。その他にも、アイソン彗星を観察するための早朝の観望会も実施しました。
今回の企画で特別に実施した展示解説ツアーでは、展示ゾーンを巡回しながら彗星に関する解説を行いました。
彗星の構造・彗星の見え方・彗星の故郷・彗星の動きなどについて、常設の展示物や特設パネルで解説を行いました。ツアーの最後では水を常温で沸騰させる真空実験(平日限定)や、彗星を作る実験(土日祝限定)を行いました。
左の写真は彗星を作成し、太陽に見立てた赤外線ランプを近づけている様子です。しばらくすると彗星の表面の氷がランプの熱で溶けてジェットという彗星の尾のようなものが勢いよく飛び出してきます。ジェットが出るまで、来館者の皆様は一点に彗星を見つめ、その瞬間を見守っておりました。ジェットが出ると、彗星の目の前まで寄って来られ、興味深そうに観察しておりました。
実際に彗星を観察しようという事で、郡山市総合地方卸売市場駐車場で11月23日(土)に、アイソン彗星の観望会を行いました。
早朝4時30分からの開始という事でしたが、大勢の方に参加して頂きました。今回のアイソン彗星は肉眼で確認できず、双眼鏡や望遠鏡で何とか確認出来る程小さいものでしたが、それでもアイソン彗星が見つかるとその姿に感激されておりました。アイソン彗星の他に、ラヴジョイ彗星・木星・月へ望遠鏡を向け、皆様に楽しんで頂きました。
残念ながら、アイソン彗星は太陽最接近時に溶けて砕けた為、観望会はこの一度限りとなりました。彗星は気まぐれな天体と言われていますが、今回は太陽系内で生涯を終え、そのはかなさを実感させられました。
これらのイベントで、彗星カードをプレゼントしており、楽しみながら多くの彗星カードを集めて頂きました。彗星カード10種類のうち9種類以上集めると抽選で景品が当たる企画も実施しており、多くの方に達成して頂き、盛り上がりのある企画となりました。
今後彗星の様な天文現象や、科学に関するトピックスがありましたら、新たに企画を行ってまいります。