【開催報告】

2003/08/27


 郡山市ふれあい科学館では財団法人郡山市埋蔵文化財発掘調査事業団と連携し、縄文人の生活が体験できる講座「縄文の科学ワークショップ」を、平成15年8月23日(土)に開催しました。
 当日は、小中学生の親子34名が参加し、新しい切り口から自然科学と歴史(考古学)を結びつけた講話を聞いたり、体験をしていただきました。

「縄文時代の生活様式と技術」

 講師の日塔先生から、縄文時代の実物の土器や石器を使って生活様式や技術の話をしていただきました。
 大きな土器には、火を使った際のすすの跡があり、煮炊きに使われていたという話から縄文人の賢さが伝わってきました。また、やじりや獲物を切り裂く道具の精巧さに、縄文時代の技術のすばらしさを学んでいただきました。
 神や生ある物へ畏敬(いけい)の気持ちが伝わる土偶に、なんだか心に安らぎを与えられたような気持ちになりました。

石器を使って物を切る!

 包丁やナイフと比べると切れそうもない石器ですが、この石器で紙に印刷されたキャラクターを切り取りました。りんごの皮も包丁のように薄くむけました。
 包丁を使い慣れていない参加者も集中して取り組み、むいた皮を得意そうに見せ合う光景もありました。

縄文時代の衣生活にせまる!

 昭和村「からむし工芸博物館」よりお借りした映像資料を使って、糸を紡ぐまでの大変さを知ってもらいました。
 また、講師の難波から、縄文の衣生活について説明がありました。縄文人は生きていくために自然の恵みを上手に使っていたことを、衣生活の元になる繊維(植物)を科学的な視点から観察し、学んでいただきました。
 糸の原料になるアカソ、クワを使っての実習では、植物の茎のしくみを観察すると同時に、それを巧みに利用した縄文人のすばらしさに感動していました。

アンギン編みに挑戦!

 麻袋の座布団に座り、講師の大越よりアンギン編みについての話や編み方の説明がありました。待ちに待ったアンギン編みに挑戦です。
 編み機に横糸をはり、こも(縦糸)を交差させて編み込みます。編むにつれて、畳のような模様のコースターができていきます。参加者の皆さんは、時間を忘れて編み込みをしました。コースターが完成すると、「やったー!」という歓声が上がりました。

原体を使った縄文文様の再現

 原体を使った縄文文様の再現の講師は永沢先生です。この日のために、原体とサンプルをたくさんを作って説明してくれました。
 原体とは縄模様の元になるものです。今回は、オーブン粘土でミニ縄文土器を作った後に、原体を使って土器に縄文人のように縄模様をつけてました。粘土を何回もこね、オリジナル縄文土器の完成です。