郡山市ふれあい科学館では平成22年5月22日(土)に、5月20日の「地質の日」を記念しての野外講座「郡山で化石をさがそう」を、福島県立博物館との連携事業として開催いたしました。
福島県立博物館と当館は、福島大学が中心となって設立した、県内の科学館や公設試験センターで構成する「ふくしまサイエンスぷらっとフォーム(spff)」に加盟しています。このspff連携事業として、今回の講座を開催いたしました。
この講座では、福島県立博物館の学芸員の方々、そして「福島県立博物館 友の会 化石・鉱物探検隊」の皆さんにもサポートしていただき、参加者に郡山市内という身近な場所での化石発掘を体験していただきました。
今回は、バスで郡山市逢瀬町の高広山へ移動して、化石採集を行いました。はじめに福島県立博物館の学芸員の方から、地層や化石について説明してもらいました。
そしていよいよ化石採集に挑戦です。化石・鉱物探検隊や学芸員の方々に教わりながら、化石の入った岩石を探しました。化石を見つけると、ハンマーやタガネを使って、皆さん夢中になって化石を掘り出していました。
化石を採集した地層は、「堀口層」と呼ばれる1200万〜1500万年前の海の地層で、今回はさまざまな貝の化石を発掘できました。およそ1200万年前、このあたりの場所は海だったのですね。
化石採集の後は、採った袋いっぱいの化石を持って、バスで科学館に戻りました。
ここで、参加者の皆さんに化石を発掘した場所の様子を思い出してもらいました。
・「地層」と呼ばれる模様は、どのようにできるのでしょうか?
・地下深くに埋まったはずの化石が、どうして地表で見つかるのでしょうか?
・死んだ生き物は、みんな化石になるのでしょうか?
ということを、実験を交えながら科学館の職員が解説しました。
最後は、化石のまわりの岩石を取り除く「クリーニング」と呼ばれる作業を体験しました。
小さめのハンマーと細いタガネを使って、化石を割らないように、まわりの岩石を慎重に取り除きます。
きれいになった化石を壊れにくくするため、化石のまわりにプラスチック樹脂を塗って、保管用の箱と一緒に持ち帰ってもらいました。自分の手で発掘した本物の化石を大切にしてくださいね。