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【開催報告】親子で学ぼう!放射線実験教室

 郡山市ふれあい科学館では、経済産業省資源エネルギー庁と公益財団法人日本科学技術振興財団・科学技術館の協力により、親子で実験をしながら放射線について学ぶ実験教室を、2014年3月1日(土)〜2日(日)に開催しました。

紙芝居で放射線について解説

 公益財団法人 日本科学技術振興財団・科学技術館の掛布智久さんと井畑太一朗さんを講師に迎え、放射線について実験やクイズを交えながら、紙芝居を使って解りやすく解説していただきました。
 クイズでは子どもたちが「はい!」、「はい!」と、元気よく声を発しながら手を上げて参加しており、会場内はたいへん盛り上がっていました。
 リズミカルに進む進行に、参加した親子は集中して参加していました。


放射線の飛ぶ軌跡を観察

 放射線自体を目で見ることは出来ませんが、放射線が飛んだ軌跡は観察できます。観察する実験道具(霧箱)の作成を行いました。丸い透明なケースの中にスポンジを貼り、その中をアルコールで満たし、ドライアイスで十分に冷やしました。モナズ石という放射性物質を入れ、周りを暗くしてケースにライトを当てて見ると、モナズ石から放射状に色んな方向へ白い雲が飛び出る様子が確認出来ました。この雲は飛行機雲ができるのと同じ原理で、放射線が通るとその軌跡がアルコールの雲となって観察できます。また、56秒で半減期を迎えるラドン(トロン)を入れて放射性物質が減っていく様子を確認しました。
 参加者の皆さんは、「凄い、きれい!」と興奮気味に放射線の飛ぶ軌跡を真剣に見つめていました。


放射線測定器で放射線量を測定

 私たちの周りでは、放射線が常に飛び交っています。放射線は宇宙や地面、私たちの体などからも出ており、放射線測定器を使って、飛んでいる放射線の様子を観察しました。また、塩、みかげ石、マントルなどの身近にある試料を放射線測定器へ近づけて、どの物質が一番高い線量を示すか測定しました。マントルが最も高い線量を示しましたが、マントルはキャンプなどで使用するランタンの芯の部分で、一般に市販されているものです。
 身の回りにある放射線ですが、浴びすぎるのは体に良くないので、放射線から身を守るためには、放射線を出すものから距離をとったり、遮蔽したり、放射線を浴びる時間を短くする必要があります。どのような物から放射線が出ているのか、その量を知っていただくため実験を行いました。


 震災から約3年が経ちますが、今回の実験教室で参加者の皆さんに、あらためて放射線について考えていただきました。
 科学技術館の掛布さん、井畑さんありがとうございました。