【開催報告】手づくり乾電池教室

 郡山市ふれあい科学館では、一般財団法人 電池工業会の御協力により「手づくり乾電池教室」を開催いたしました。

 講師には、電池工業会の塩澤暁(しおざわさとる)先生をお迎えし、2014年9月28日(日)に開催いたしました。


 はじめに、先生から電池についてのお話がありました。電池の起源は、紀元前のイラクにまでさかのぼるという説もありますが、はっきりわかっているところでは、18世紀後半にボルタという人によって発明された電池が知られています。しかし、この頃の電池は中に液体がたっぷり入っていて、それがこぼれたりとあまり使いやすい電池ではありませんでした。そこで、その液体を紙などにしみ込ませることで、使いやすい電池(乾電池)が発明されました。この乾電池、同じ頃にこの仕組みを考え出した人が複数いたため、誰が一番最初に発明したかははっきりわかっていません。世界で最初に乾電池を発明した人には諸説ありますが、日本人の屋井 先蔵(やい さきぞう)氏もその一人と言われています。

 また、電池の仕組みを理解するために、炭を使った電池の実験を見せていただいたり、人間の体を材料の一部に使った人間乾電池の実験を体験しました。炭の電池で風車がまわったり、自分の手を装置にあてるだけで電気が流れる様子に、参加した皆さんは驚いた様子でした。


 そして、いよいよ乾電池の制作です。

 電池は、特定の2種類の金属と電解液で作ることができます。今回は一般的な乾電池と同じマンガンと亜鉛で制作しました。亜鉛の容器にセパレータと呼ばれる仕切りを入れて湿らせ、そこへマンガンの粉を入れました。さらに、マンガンの粉を押し固めて中心に炭素棒を入れ、ふたをすると完成です。デザインは各自が色鉛筆で作り、世界でひとつだけの乾電池が出来上がりました。

 普段、中身が見えないまま当たり前のように使っている乾電池ですが、自分で作ることでその仕組みもわかり、参加したみなさんも電池に興味をもった様子でした。

 塩澤先生、本当にありがとうございました。