郡山市ふれあい科学館では、福島大学との連携事業「おもしろ科学びっくり箱」を昨年に引き続き開催しております。
今年度の最終回となる第4回目は、平成21年2月18日(水)に共生システム理工学類 教授 小山 純正(こやま よしまさ)先生をお招きし、「健康の科学(2) 〜健やかな眠りのための脳のしくみ〜」というテーマで開催いたしました。
小山先生は、神経生理学が専門分野で、大学では生体システム概論、生体生理学、生体システム実験などの講義を行うとともに、眠りをおこす脳の仕組みを探るべく、睡眠中のネズミの脳の中で神経細胞がどのように活動しているかを研究されています。
今回の講演では、前半は睡眠の仕組みや特徴について、寝だめができないことや睡眠薬では正しい眠りが得られないことをお話いただきました。まず「睡眠とは、起きている間につくられてたまっていく睡眠物質を分解する作業である」そうです。そのため、寝だめはできないそうです。
また、睡眠には徐波睡眠(ノンレム睡眠)とレム睡眠(Rapid Eye Movement Sleep)という2種類があり、睡眠中は、眠りが深く脳が休止している状態の徐波睡眠と、眠りが浅く起きている時と同様に脳が活動している状態のレム睡眠が交互におとずれるそうです。この眠っている間に脳が活動することによって、よい眠りを得られるため、睡眠薬やアルコールではよく眠れないそうです。
また後半では、睡眠の役割や睡眠中の脳の活動についてお話いただきました。深い眠りの徐波睡眠では脳を休息させているのに対して、脳が活動しているレム睡眠には、脳内の余分な情報を消去する役目があるそうです。そのため、ストレスが多いとそれを消すためにレム睡眠が増えるそうです。また、レム睡眠中には起きている時に学習したことを脳に復習させる役割もあるため、学習後には睡眠をとることで効果を高めることができるそうです。さらに成長期にはこのレム睡眠によって脳が発達していくそうです。
前半と後半の各終了時には質問コーナーもあり、参加されたみなさんは積極的に質問して、睡眠や脳の仕組みに関する理解をさらに深めていました。みなさん、睡眠をうまくとって健康で楽しい生活をおくりましょう。
小山先生ありがとうございました。
起きている間にたまっていく睡眠物質のお話
積極的に質問する参加者