【開催報告】コズミックカレッジ「キッズコース」

 郡山市ふれあい科学館では、平成19年11月18日(日)、小学校1年生から4年生と保護者を対象に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共催で「コズミックカレッジ・キッズコース」を開催いたしました。
 今年は、月周回衛星「かぐや(SELENE)」が、世界初の月のハイビジョン映像の撮影などの成果をあげ活躍していることから、「月」をテーマに子どもたちと月や地球について考えました。

 

 講師は、宇宙教育リーダであり市内小中学校の先生である(右から)
佐野 亮二先生(西田中学校)、
園部 毅先生(郡山第七中学校)、
赤間 祐市先生(宮城小学校)、
遠藤 康弘先生(JAXA派遣・東京都国分寺市立第七小学校)、
水谷 有宏(郡山市ふれあい科学館)と進行役の鈴木 典秋(写真には写っていません)です。

 この6名で1日楽しく実験や工作をしました。午前中は「月へ向ってGO!」、午後は「月はどんなところ」、「わたしたちの地球」を行い、月やロケット、地球環境などを学びました。


講座1:月へ向ってGO!


 まずは、地上から見える月について学びました。

 


 どうして月は満月や三日月になるのか?月の満ち欠けについて、ボールとライトを使って実験!



 月の満ち欠けの仕組みが分かったところで、今日の月はどんな形でみえるのか?立体月齢早見盤を作りました。完成した後は、自分の生まれた日の月の形を見てみました。

 


 月に興味を持ったところで、月に向うための準備です。体を使って月までの距離や、ロケットで月まで行くための難しさを体験しました。月までの距離は約38万km、直径24cmのボールが地球だったら月 までは26m。月は思ったより近い?遠い?



 ロケットは、ガスを噴出して飛びます。その仕組みを、風船やアルコール・水素を使った実験を通じて学びました。その後、フイルムケースと発泡入浴剤を使ったプチロケットを作り、打ち上げを楽しみました。打ちあがる姿は、まさにロケット!!
お家で遊ぶときは、お風呂かお外でね。


 いろいろなロケットの実験を行いましたが、最後にペットボトルにアルコールの気体を入れ、点火し発射!!
 プチロケットとは比べ物にはならないほど、迫力満点で勢いよく飛んでいきました。この実験はたまに失敗しますが、一発で飛んで大成功でした。


講座2:月はどんなところ?


 初めて月面に着陸したアポロ11号の歴史的な映像と、最新のハイビジョン映像で月面の様子を見た後、空気の無い世界の実験を行いました。空気の無い世界では風は吹かないし、空気の抵抗が無いので、鉄片も鳥の羽も同時に落ちます。この実験は実際に月面でも行われました。実際の映像を見ると、本当にそうなるんだと実感しました。


 月の表面は穴だらけ。クレータがどのようにできるのか、月から持ってきた砂?(コーンスターチです)を使って実験です。
 月では風が吹かないので、この様なクレータも出来たまま残っています。あの宇宙飛行士の足跡も、そのまま残っているんでしょうね。皆さんが月に行けるころには、人類初の足跡は観光の名所になるんでしょうか?



 ビデオでは分かりませんが、月では体重が軽くなります。本日は特別ゲストとして、月の上にいる人と、地球の人をお招きしました。2人は日本人の主食米30kgの袋を持っています。地球の人は重そうですが、月の人は片手で軽々と持ち上げています。そう、月の重力は地球の6分の1です。月の上では、お米は5kgになります。


 さすがに子どもではお米は持ち上げられません。普段飲み慣れた500mlのペットボトルを持ち比べてみました。重さの違いにビックリ!でも、あまりに軽いのでちょっと損した気分かも…。



 もし月で体重計にのったら体重は?月の体重計に乗ってみました。大人の人は、嬉しい数字ですね…。


 最後に、月を自宅でも関心が持てるよう、マグネット式のパズルを作りました。月と宇宙飛行士の二種類が描かれています。
 月は6等分されて、月の満ち欠けが体験できます。冷蔵庫などに貼って、その日の月の形を作って、思い描いてください。


講座3:わたしたちの地球


 今回は、JAXAの専任講師 遠藤 康弘先生(東京都国分寺市立第七小学校)にお越しいただきました。
 先生には、先日撮影されたばかりの月からの地球の入・出の映像を紹介いただきました。ハイビジョンで撮影された月面は、まるでCG!とってもリアルです。そして、月から見た地球は、とってもきれいです。地球の7割は海のため、青く見えます。地球の環境を知るために、星砂を使って実験・工作をしてみました。


 星砂は、ロケットの打ち上がっている種子島から持ってきていただきました、この砂は種子島には無いはずなのですが、波の力で南の島から運ばれてきました。この星砂の正体は、有孔虫の殻で生物でした。こんな小さな生物も地球の環境を支える上では大切な仲間です。
 そんな星砂を観察しながら、地球について考えてみました。そして、星砂を台紙に貼り付けて、オリジナルの星座絵を完成させました。みんな上手にできたかな?


 今、人類は再び月に向おうとしています。アポロ計画では12名の宇宙飛行士が月面に降り立ちました。そう遠くない未来に、受講者の中から月面に降り立つ13人目の宇宙飛行士になれることを、スタッフ一同願っております。