【開催報告】「南極の氷」贈呈式

 平成24年7月6日(金)に、自衛隊福島地方協力本部から「南極の氷」を贈呈いただきました。氷の贈呈は、今回で10回目になります。

 この氷は海上自衛隊が所有する南極観測船「しらせ」によって日本へ持ち帰られ、自衛隊福島地方協力本部を通じまして、その一部を当館に贈呈いただきました。

 南極の氷は、単に水が凍ってできた氷ではなく、過去何万年もの間に南極に降り積もった雪が、その重さで圧(お)し固められてできたものです。この氷をよく見ると白く見えますが、その中には大昔の空気などが閉じ込められています。この空気を分析すれば、大昔の地球環境を調べることができ、現在の地球環境と比べることで、いろいろな研究に役立てられています。

  

 はじめに、自衛隊 福島地方協力本部 本部長の安田 孝仁 1等陸佐からご挨拶をいただきました。

 その中で、昨年度は、南極観測船しらせが南極の昭和基地へ向かう際に、例年よりも厚い氷が立ちはだかり、進むために苦労したエピソードや、南極から日本に戻る際には、往路で通った経路が再び厚い氷に覆われて、船のかじが破損するなどのトラブルを乗り越えて日本へ帰ってきたエピソードなど、他ではなかなか聞くことができない南極観測について、分かりやすくお話いただきました。


 

 いよいよ南極の氷の贈呈です。氷が登場すると、会場に大きな歓声があがりました。

 重さ約10kgの真っ白な南極の氷が、安田本部長から科学館長の遠藤 育夫へと手渡されました。

 そして、館長よりお礼の言葉がのべられました。


 

 贈呈式に参加してくれた小学生の皆さんには、式終了後、南極の氷を触ってもらいました。氷を触った感想を聞くと、「冷たくて気持ちいい!」「南極の氷に初めて触った!」など、南極を身近に感じていただけたようです。

 南極の氷は、7月21日(土)・22日(日)に展示ゾーンで開催する「サイエンスフェスティバル」で展示します。南極の氷は、見るだけではなく触ることもできますので、ぜひ氷に触れて南極を感じてみてください。

※南極の氷の展示は、融け次第終了とさせていただきます。