自由工房「くるくる人形」
〜人形が棒を登っていく〜

2003/05/15


 

 科学館で行っている「自由工房」を知っていますか?

 「自由工房」は、科学館展示ゾーン入館者を対象として、毎週日曜日と祝日に行っている科学工作教室です。メニューは毎月変わり、身近な物で製作します。

 5月は、「くるくる人形」です。「くるくる人形」は、風車(かざぐるま)が回転する力を利用して人形が棒を登るおもちゃです。使用する材料は、折り紙・ワイヤー・ビーズ・棒・糸・人形の型紙です。

 作り方は、風車を作り、風車と人形を付けた糸を固定させます。風車に風を送ると回転し、糸が巻き上げられて人形が上へ上へと登っていくという仕組みになっています。その姿は、まるで人形が木を登っていくようです。科学館で作る風車は左回り、右回りする万能風車なので人形が登り降りする仕掛けになっています。


風車が回転する力を利用して
人形が棒を登る「くるくる人形」

 「くるくる人形」では、風車が風(空気の力)を受けて回転し、物を動かす働きがあることが分かります。さらに、風の力のすごさが分かることがあります。風車を作る時は羽をふっくらと仕上げたほうが空気がたくさん入り、よく回転します。つまり、風の強さや風を受ける容量で回転する力が変わります。

 風車といえば、昔ながらのおもちゃというイメージがあるかもしれませんが、実は科学的な面から風について学習することができるのです。

 昔オランダでは、製粉機の動力源として風の力を利用した風車(ふうしゃ)を使っていました。現在では風のエネルギーを利用して風車を回す風力発電を使って電気を起こしています。身近な例が、郡山の中山峠トンネル先の大きな風力発電です。発電した電力を利用してトンネルの照明・換気・ロードヒーティングなどに使われているそうです。このように風車は昔からその形や役割を変えて、生活の中でも使われているのです。

 風車の歴史は古く、中国から伝えられて、平安末期には存在していたということです。もう1000年以上も前から遊ばれている歴史の長いおもちゃということですね。

 今回紹介した「万能風車」は科学館21階展示ゾーン内のワークショップBカウンターで作ることができます。また「くるくる人形」は自由工房で作ることができます。作る時間は30分程度です。小さな子でも付き添いの方のお手伝いがあれば楽しめますので、ぜひご参加ください。

 
 

(事業課展示情報係 野田 裕美)

 

2003年5月15日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より