プチロケットを飛ばそう
〜エンジンは二酸化炭素〜

2004/01/08


 

 昨年12月13、14日、ふれあい科学館で、宇宙航空研究開発機構と日本宇宙少年団主催の「コズミックカレッジ」が開催されました。私もこのカレッジに参加しました。今回はコズミックカレッジのカリキュラムの中から、「ロケットの仕組みとプチロケットの打ち上げ」を紹介します。

(1) ロケットはなぜ飛ぶのか?
 膨らませた風船は手を離すと、空気を吐き出しながら飛んでいきます。そのとき風船には、何か力が働いているように見えます。しかしその力は他から与えられた力でなく空気を吐き出した反動による力(推力)なのです。ロケットもこの風船と同じように反動の力(推力)で飛びます。ロケットは固体燃料や液体燃料を積み込んでそれを燃やすことによって気体を噴出してこれが大きな推力を作り出しています。空気のない宇宙ではプロペラ飛行機はもちろん、ジェット機も飛ぶことができません。ロケットには燃料と空気がなくても燃料を燃やせる酸化剤を積み込みます。大きな推力が必要なのでロケット全体の重さの90%もの燃料と酸化剤を積んで宇宙に出発します。

 


宇宙の神秘などを学んだ
コズミックカレッジ(昨年12月)

(2) プチロケットを作って飛ばそう!

【準備するもの】
 
写真のフィルムケース(ふたが平らなもの)、発泡入浴剤、ぬるま湯

【作り方】
 プチロケット本体はふたがしっかり閉まるフィルムケースを使います。画用紙でロケットの先や羽などをつけて楽しみましょう。

【飛ばし方】
 フィルムケースに発泡入浴剤小片を入れ、水またはぬるま湯を3分の1ほど注いでふたを閉じます。ふたを下にして、素早く平らな地面または床の上に置き、2〜3メートル離れて発射の瞬間を待ちます(発射までの時間は発泡入浴剤の量やお湯の温度で変わります)。

【注意】
 ロケットの上からのぞきこんだり、人にむけたりしないようにする。7メートルぐらいの高さまで飛ぶので、室内では真上に蛍光灯などが無いことを確認する。熱湯は反応が早いので危険です。必ず、水またはぬるま湯(30度ぐらい)を使う。屋外で打ち上げが望ましいが室内のときはお湯と入浴剤が床に飛び散るので汚れないように敷物を用意する。


プチロケットの飛ばし方

 

 プチロケットは、なぜ飛ぶのでしょうか。その秘密はフィルムケースの中の発泡入浴剤がお湯に溶けて二酸化炭素を発生するので容器内の体積が増し大きな力が働き推力となるので飛びます。みなさん、身近なことから宇宙への夢に挑戦してみてください。夢は、果てしなく広がります。

 今回の「コズミックカレッジ」は指導者養成の「エデュケータコース」と小学校低学年とその保護者を対象とした「キッズコース」の2コースでしたが、3月には小学校5年から中学校2年生を対象とした「ファンダメンタルコース」が開催されます。宇宙や科学に興味のあるみなさん、ぜひ参加してみてくださいね。

 
 

(事業課展示情報係 大越 清美)

 

2004年1月8日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より