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今月のサイエンススタジオでは「葉脈作りから植物の世界へ」というテーマで観察と製作を行っています。葉をよく見ると網の目のようなすじが葉のすみずみまでつながっています。これが葉脈で、植物が生きていくための養分や水分を運ぶ大切な働きをする器官です。ヒトの身体で言えば血管に当たるつくりになります。葉脈の周りの葉肉を取り除いて標本をつくってみましょう。 ◇製作 葉脈標本を作ろう!(画像[1]〜[3]) 1. 葉を選ぶ 葉脈のしっかりしている葉(ヒイラギ、ツバキ、ヒイラギモクセイなど)を用意します。 |
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2. 葉肉を溶かす (1) 水酸化ナトリウム溶液や炭酸ナトリウム溶液などのアルカリ溶液で葉肉を溶かします。水9、水酸化ナトリウム(または炭酸ナトリウム)1の割合で溶液を作ります。家庭ではパイプ洗浄剤などを使うと良いでしょう(※注意 アルカリ溶液は皮膚を溶かす危険な薬品なので体や衣服につけないようにしましょう)。 (2) 耐熱容器(ガラス、ステンレス、ホーローなどの製品)に(1)の溶液と葉を入れて、葉の表面が茶色になり、ふやけて軟らかくなるまで数十分〜1時間ぐらい煮ます。 |
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3. 葉肉を歯ブラシでたたいて落とす 軟らかくなった葉をピンセットで容器から取り出し、薄い塩酸に浸してから水で十分洗います(家庭では酢などを使用)。次に皿などに載せ歯ブラシでたたいて葉肉を落とし、水でよく洗います。葉脈に色を付けたいときはインクや染料でつけた後、水洗いします。 4. 標本乾燥のポイント 乾燥させるときは、水で洗った標本を新聞紙にはさんでアイロンで仕上げます。軟らかい葉脈の場合は形が崩れるのを防ぐため、透明プラスチックシート(コンビニの弁当のふたなど)の上に形を整えて自然乾燥させます。すると表と裏から葉脈を見ることができます。 5. 標本の保存 (1) 画用紙に貼ってしおりやカードを作ります。 ◇観察 葉脈をもっと詳しく観察すると! いろいろな植物の葉を観察すると網状脈と平行脈とに仲間分けをすることができます。ツバキやヒイラギなどの網状脈の植物は芽を出す時、2枚の葉を出すので「双子葉類」と言います。ユリや竹などの平行脈の葉脈は芽を出す時、1枚なので単子葉類の仲間になります。 湿った場所のこけや水草の葉や葉脈はどうなっているのでしょう? 植物の世界のなぞ解きは広がっていきます。サイエンススタジオは毎日2回開催しています。夏休みの自由研究などで試してみてはいかがですか。 |
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(事業課 大越 清美) |
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2004年6月24日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より |
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