磁力の秘密
〜「遊び」から特徴に迫る〜

2004/08/29


 私たちの身の回りには磁石の力を利用して生活を便利にしている物がたくさんあります。今回は磁石遊びから磁力の秘密に迫ります。

【実験1・・・砂鉄を集めて磁石の力を目で見よう】

 磁石をビニール袋に入れて砂の中をかき回してみよう。ひげのようにボサボサと砂鉄が付いてきます。また、磁石の周りに砂鉄をばらまくと、模様が現れます。この模様を「磁力線」といいます。写真[1]のように2つの磁石を並べて実験すると同極同士では反発し、異なる極同士では引き合うことが砂鉄の模様から見ることができます。

 


写真[1]

【実験2・・・磁石に付く物と付かない物を調べよう】

 クギ、1円玉、10円玉、クリップ、割りばしなどを磁石に近づけると、くっつくものは何でしょう。また、どうして付くのでしょうか。物質の小さな世界をのぞくと磁石のもとになる小さな粒が散らばっています。その物質を磁石に近づけると規則正しく並んで磁石になり、くっつきます。磁石を離すと元に戻ります。磁石に付かない物は、この小さな粒がバラバラのままだからです。

 

【実験3・・・磁石をつくってみよう】

(1)磁石とクギを使って

 磁石でクギなどをこすると磁石になります。これはクギの物質に含まれる磁石のもとが一定方向に並んで磁石になるからです。こする方向と磁極に注意して作ってみましょう。出来上がった磁石は長時間置いたり、たたいたり、落としたりすると、すぐ磁力を失ってしまいます。それは磁石のもとがバラバラになるからです。


写真[2]

 

(2)エナメル線とクギを使って

 エナメル線(銅線のまわりにエナメルで被覆したもの)をストローにしっかりと巻きつけて、その両端に乾電池をつなぎます。実はこれだけで磁石になるのです。電磁石と呼ばれるこの装置にクギを入れてみましょう。クリップやクギなどをひきつけます。もっと強い磁石にしたい時はエナメル線の巻き数を多くしたり、中に入れるクギなどの芯(しん)を太くしたり、電池の数を増やしてみましょう。(写真[2])

 このように電磁石を使うと、大きさや形、コイルの太さや巻き数など、いろいろな強さの磁力を作り出すことができます。そのため信号の伝達や動力、精密機械の部品などさまざま用途に活用されています。

 
 

(事業課 大越 清美)

 

2004年8月26日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より