パラボラアンテナ 展示物に仲間入り
〜電波の集め方 一目で〜

2004/12/24


 ふれあい科学館の21階展示ゾーンに、11月から新しい展示物「パラボラアンテナ」が仲間入りしました。見た目は銀色の直径1メートルほどの大きなお皿のようです。お皿の上には4本の支柱が伸びていて、その上にはカゴが付いています。

 


科学館の新展示物「パラボラアンテナ」

 使い方は、小さなスーパーボールを手に持ち、お皿の上の高い所から落とします。まっすぐ落ちたボールはお皿の上で跳ね返り、中央のカゴの中に入ります。不思議なことに、お皿のどこにボールが落ちても、カゴに命中してしまいます。

 不思議の秘密はお皿にあります。このような形のものは、パラボラアンテナと呼ばれ、家庭用の衛星放送の受信アンテナにも使われているので、皆さんも見たことがあるかも知れません。パラボラアンテナは、弱い電波信号を集めてとらえることができるので、通信用のアンテナや、宇宙の天体からのかすかな電波を観測する電波望遠鏡にも使われています。

 

 この展示物も、もとは長野県にある国立天文台野辺山電波観測所で電波望遠鏡として実際に使われていました。1992年まで太陽からの電波を観測していましたが、今回、国立天文台野辺山電波観測所のご協力により、科学館の新しい展示物として復活したというわけです。

 ボールを落とすだけなので、子どもでも楽しく遊べます。また、目に見えない電波が焦点のカゴに集まる様子を目で見ることができるので、大人にも興味深い展示であると言えるでしょう。皆さんも、ぜひお試しください。

 展示物の公開を記念して、11月3日にはイベントを開催しました。観測所スタッフを招き、電波望遠鏡ミニ講座や、国立天文台提供の望遠鏡ペーパークラフト作りも行い、会場の展示ゾーンは多くの参加者でにぎわいました。


望遠鏡ペーパークラフト作りの様子

 この時に作った望遠鏡ペーパークラフトは国立天文台のホームページでも公開されています。電波望遠鏡のほかにも、世界最大級の「すばる望遠鏡」の模型などもあり、子どもが簡単に作れるものから大人でも作り応え十分のものまで、いくつも種類があります。冬休みに家族そろって挑戦するのもおもしろいのではないでしょうか。

 

望遠鏡ペーパークラフトのホームページはhttp://www.nro.nao.ac.jp/~lmsa/outreach/papermodel.html

 
 

(事業課 石原 裕子)

 

2004年12月23日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より