くるくるコロリン競争
〜クイズで学ぶエネルギー〜

2006/05/18


 5、6月のサイエンスショーのテーマは「くるくるコロリン競争」です。クイズを出しながら、身の回りのいろいろなものを競争させていきます。

 ところで、皆さんは転がるものというと何が思い浮かびますか? 車のタイヤ、ボール、あるいは、童謡「どんぐりころころ」、中にはでんぐり返しという答えもあるかもしれません。

 ここに挙げたものはどれも丸いものです。三角や四角いもので転がるものはなかなか思い浮かびませんね。どうやらものには転がりやすい形があるようです。

     


2つの鉄球の競争

【どちらの鉄球が速い?】

 では早速、第1問。A、B 2つのレールがついた坂道に、同じ重さの鉄球を同じ高さから転がします。AはBよりも坂が1回多く、ゴールは同じ高さです。さて、どちらが早くゴールするでしょうか。

 この問題を解くには、中学校で学ぶ「エネルギー」という考え方が必要です。エネルギーとは「ものを動かしたり、変形させたりする能力」のことです。高い所にあるものは落下して他のものを動かす能力があるので、位置エネルギーを持ちます。宇宙から降ってくる隕石(いんせき)が地面に巨大なクレーターを作るのもこの位置エネルギーが大きいからです。

 
 さらに動いているものは他のものに衝突したとき、そのものを動かす能力があるので運動エネルギーを持ちます。走っている車がぶつかった時に周りを壊すのもこの運動エネルギーを持つからです。ものが坂を下るときは、高さが低くなるにつれて位置エネルギーは減少しますが、その分運動エネルギーは増加するので速さが速くなります。

 さて、今回のコース、Aは坂が1回多く距離が長いので、不利なようにも見えますが、実は2回目の坂でBよりも運動エネルギーが大きくなり速く転がるので、そこでBを追い抜いてゴールします。よって正解は「A」でした。皆さん、予想は当たりましたか。


フリップを持ってクイズに参加する子どもたち

 
【「生卵」対「ゆで卵」】

 第2問。今度は坂を使って競争です。「生卵」対「ゆで卵」を同時に転がしたら早いのはどちらでしょう。家庭でも簡単に実験できますが、生卵は割れやすいので注意してください。この競争の答えは「生卵」です。

 なぜかというと・・・。これ以上はせっかくのショーがつまらなくなってしまいますので、実際にふれあい科学館に来て、結果を予想しながらショーに参加してみてください。きっとエネルギーの不思議が体験できますよ。

 
 

(事業課 遠藤 史貴)

   

2006年5月18日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より