宇宙実験紹介コーナー
〜無重力状態"体験"しよう〜

2006/09/14


 宇宙飛行士と聞くと、スペースシャトルの中でふわふわと浮いている姿を思い出すのではないでしょうか。スペースシャトルの船内は無重力という、重力が(ほとんど)無くなった状態になっています。無重力状態では体が浮いて、まるで泳ぐように船内を移動できるし、重い物でも楽々運べるし、水を丸い形にして空中に浮かべたりすることもできて、何だかとても楽しそうです。でも、この無重力状態を長時間体験できるのは、今のところ宇宙飛行士だけです。うらやましいですね。

 スペースシャトルや宇宙ステーションでは、地上とは異なる宇宙環境を利用した実験が行われています。地上では作れない材料を作る実験、無重力から生物がどんな影響を受けるかを調べる実験、宇宙から地球の表面の様子を観測する実験などがあります。

     


国際宇宙ステーションの中に浮かぶ
野口聡一宇宙飛行士(NASA提供)

 ここでは宇宙へ行かずにできる宇宙実験を紹介しましょう。一つ目は、サラダにかけるドレッシング(油が分離して入っているもの)のビンを用意します。ビンの中は、油とそれ以外の部分に分かれていますが、これを混ざったままにできるでしょうか? どんなにビンをよく振っても、しばらくするとまた二つに分かれてしまいます。

 実は、この実験は水と油の比重が違うために地上では成功しません。ところが、無重力では比重の違いでは分離しなくなるので、宇宙ではドレッシングも混ざったままにできるのです。

 

 二つ目は、無重力状態を作る実験です。ペットボトル(500ミリリットルくらいの大きさで、表面に凸凹のない炭酸飲料用がよい)に水を9分目くらいまで入れてふたをします。これを軽く投げ上げてキャッチしてみてください。ペットボトルが空中にあるとき、空気の泡は丸に近い形になってペットボトルの中に浮かびます。ペットボトルが地球の重力に引かれるままに落ちている(自由落下している)時は無重力状態になるので、宇宙で水が丸くなって浮かぶのと同じようなことが見られるのです。


スペースパークの宇宙実験紹介コーナー

 

 どちらも簡単にできますので、試してみてください。

 スペースパークでは、10月末まで全館企画「宇宙飛行士スペシャル」を開催中です。宇宙飛行士の活躍や宇宙での生活、宇宙開発の過去・現在・未来などについて特集しています。その中でも展示ゾーンの「宇宙実験紹介コーナー」では、県内の大学がかかわっている研究を中心とした宇宙実験を紹介しています。

 他にもプラネタリウム番組、パネル展示、ぬりえや図書コーナーなどで、さまざまな角度から宇宙飛行士について紹介しています。宇宙飛行士になりたい人は、スペースパークに集まれ!

 

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(事業課 石原 裕子)

   

2006年9月14日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より