魂こもった鉄道模型
〜精巧、細部まで忠実に再現〜

2006/09/14


 皆さん「鉄道の日」をご存じですか? 明治5(1872)年10月14日、新橋から横浜までの区間に日本で初めて鉄道が開通したことを記念して平成6年から設けられました。鉄道の発展と鉄道に広く関心を持っていただくことを願って全国的にさまざまな行事が行われています。郡山市ふれあい科学館でも7、8、9日の3日間「鉄道フェスティバル」を開催しました。鉄道の資料展示やペーパークラフト工作コーナー、Nゲージ鉄道模型操作体験などたくさんのお客さまに楽しんでいただきました。

 今回は、この鉄道フェスティバルに手作りの模型などを展示していただいた、いわき市の千葉良平さんを紹介します。

     


千葉良平さん

【模型作りは廃材から】

 千葉さんは本業である水道工事業の傍ら、カメラを長年の趣味にし40年以上、各地でSLを撮り続けてきました。しかし数年前に足腰が弱ったのを実感し、以前から興味のあった機関車の模型作りを自宅で始めました。

 千葉さんのSL模型は当初、機関車の胴体に銅管、釜のふたに家庭用ガスボンベの底部、煙突に細めの銅管と、自宅の水道工事用具の廃材などを利用して作られていました。廃材とはいえ極めて精巧で、細部の部品に至るまで忠実に再現。完成まで4カ月以上もかかっています。また、それらの模型にモーターや電気系統を付けるなどして、実際に動かすことにもこだわっています。

 

【一層スケールアップ】

 現在、千葉さんのSL模型はさらにスケールアップし、全長1メートルぐらいの大型になっています。車輪は直径10センチぐらいの真ちゅうの棒から切り出し旋盤で削るなど、細部までこだわりが感じられます。車体内部も精巧に作られていて、まさに魂の入った模型と言えるでしょう。

 また、子ども好きの千葉さんは、子ども用のおもちゃの機関車を改造し実際にレールの上を走る機関車を作りました。レールの大きさも1周するのに直径8メートル必要なほど大型なものです。近所の幼稚園に試乗用として貸し出したことがあり、園児たちは大喜びで乗っていたそうです。


製作途中のSL模型


完成した模型(左がD51、右がC57)

 85歳になった今でもSL弁慶号の制作に挑戦しています。そのほかにも千葉さんがかつて勤めていたことがある常磐炭鉱をモデルにした鉄道ジオラマの製作も行いたいという夢を持っています。来年の鉄道フェスティバルには新しい鉄道模型が展示されることと思います。

 ぜひ今度、千葉さんの魂のこもった模型を実際に見て感動していただきたいと思います。

 
 

(事業課 武藤 真志)

   

2006年10月12日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より