開催報告

2003/06/03


 

 郡山市ふれあい科学館では平成15年5月31日(土)に、国立天文台との連携事業 第7回「星の講演会」を、23階 宇宙劇場にて開催いたしました。

 今回は、国立天文台 水沢観測センターとテレビ会議で結び、亀谷 收(かめや おさむ)先生に「宇宙のしくみを調べる」という内容でお話しをしていただきました。 会場には約150名の参加者にお集まりいただきました。

 

第7回 星の講演会 「宇宙のしくみを調べる」

 今回の司会は、天文係の木村です。宇宙劇場内での映像の演出と亀谷先生のお話を合わせて、宇宙のしくみについて学びましょう。

 講師の亀谷先生から、国立天文台水沢観測センターの前身は約100年に開設され、初代の木村所長は地球の動きのZ項の発見者として国際的に有名であり、現在も電波の観測の他、月の起源や銀河系の構造の研究が盛んな所として紹介いただきました。

 

地球・太陽系・銀河系の姿?


(C) GOTO

 宇宙劇場の中で、地球から出発し、太陽系、銀河系の構造について簡単にお話をしました。私たちの住む銀河系は渦巻きの姿をしているといわれていますが、あくまでも想像の世界なのだそうです。 

 

三角測量とは?

 
 銀河系の地図を描くためには、銀河系内の星までの距離を正確に測る必要があります。星までの距離はどうやって測るのでしょうか? それは、三角測量の応用です。三角測量の基礎についてみんなで学びました。

 

ベラ計画

 ベラ望遠鏡は、直径20mの電波望遠鏡を水沢の他、小笠原諸島の父島、鹿児島県入来町、沖縄県の石垣島に設置したものです。差し渡し2300kmあり、この望遠鏡では月の上に置いた一円玉もわかるというのにビックリさせられました。 

 

 江戸時代の伊能 忠敬が日本の詳細な地図作りをして、日本の近代化に貢献しました。亀谷先生の「今後10年から20年かけて、銀河系の細かな構造がわかる地図つくりに取り掛かります」 という力強い宣言には、地道な研究の先に光り輝く成果を確信する自信が伺えました。

 
参加者からの質問コーナー

 

 参加者からの質問コーナーです。いろいろな疑問について、先生に答えていただきました。

【質問】銀河系の中心にはブラックホールがあるそうですが、どんな銀河にもあるのですか?
【答え】おそらくブラックホールはあると考えられています。しかも大きさが、太陽の何百万倍もあるような巨大ブラックホールが。

【質問】この計画は日本以外に進めている国はありますか?
【答え】計画はあるようですが、実際に実現しているのは日本だけです。

【質問】観測センターで働いている人は何人ぐらいですか?
【答え】約30人で、半分の人がベラ計画に関係しています。

今夜の「水沢観測センター付近」と「石垣島」の星空

 
 最後に、ベラ望遠鏡のある水沢と石垣島から見た星空を眺めました。石垣島は緯度が低いので、南十字星が見えました! 緯度が違えば見える星空が違うのですね。

 

次回の第8回「星の講演会」は、平成15年11月1日(土)です。