夜空をながめよう
夜空の大時計 北斗七星

2002/04/27


 先日、夜桜見物に出かけた時、北斗七星が昇ってきていることに気が付きました。ひしゃくに汲んだお水を地上に振りまいているように見え、そんな光景を見て私はもう春が来たなと感じます。

 北斗七星は主に2等星でできており、分かりやすい形なので読者のみなさんも、見つけられる星の一つではないでしょうか。
 今は午後八時頃の北東の空、地平線から60度くらいの高さに見えていますから、晴れた晩に探してみてはいかがでしょうか。
 この星を見つけたら、2時間後にもう一度見てください。見える位置が大きく変わり、きっとびっくりされるでしょう。
 星空は、北極星を中心に反時計回りに1日で約360度、1時間なら15度の回転をします。 北斗七星が北極星を中心に回転する様子は、まさしく夜空の大時計です。 2時間で30度という角度は、夜空では本当に大きな動きとして見えます。 この星に限らず、全ての星や月・太陽は時間と共に西へ移動します。これは地球が自転運動をしているためで、北極星が動かないのは自転軸を北に延長した先にあるためです。

 さて、地球は自転運動と同時に公転運動もしています。 その動きは、星空が一日に約1度余分に回転する動きとして見られます。
 そのために、同じ時刻に北斗七星を見ると、一ヶ月後では約30度、半年後では180度も回転し、秋に見る北斗七星は北西の低空に水を汲むように見えます。この変化は季節変化のカレンダーとして見ることができます。
 古代中国では、北斗七星が天帝の乗物であり、人民の生死禍福を司る神とされました。 したがって、北斗七星に祈れば災難を免れ、福が訪れ、長生きができると信じられました。その信仰は推古天皇の時代に日本にも伝えられ、北斗七星や北極星を北辰とよび、それを崇拝する妙見信仰が日本各地に広まりました。
 郡山市湖南町福良など各地に妙見神社や妙見尊などと書かれた石碑が残っています。それらはこの信仰の名残です。
 今宵はひとつ、北斗七星に願い事をかけますか?

(天文係 木村直人)

2002年4月23日読売新聞福島版の「星のある風景」より