手軽な天文ショー ペルセウス座流星群

2002/08/16


 今回は、望遠鏡や双眼鏡などの道具は一切使わなくても見ることのできる天文ショーをお知らせします。

 


8月13日 午前1時ごろの星空

 昨年11月、「しし座流星群」では夜空に無数の流れ星が花火のように飛び散り、感動した方も多いかと思います。 しし座流星群は約33年周期で数が特に多くなる流星群ですが、毎年確実に見られるのがペルセウス座流星群で、お盆のころの夜中に現れます(今年は特に8月13日未明を中心とする時期、もちろん今週中はチャンスです)。
 今年は月明かりもなく、条件としては最適です。 しし座流星群ほど明るい流れ星は多くありませんが、空の暗いところでは、1時間に100個ぐらい現れることもあります。
 ペルセウス座の方向から放射状に流れるように現れるのでこの名前がついています。

 

 よく「どちらの方角を見ればいいのですか」と質問を受けますが、困ってしまいます。なぜなら、流れ星は空のどちらに流れるかは決まっていません。
 ペルセウス座は夜半過ぎから東の空に見えますが、こちらの方角を見ていれば一番よく見られるというものでもありません。
 したがって、空全体を広く見渡すように寝ころんで見るのが一番数多く見られる方法になります。
 また、「何時ごろが一番よく見られますか」という質問も多いのですが、流星群のピーク(一番数が多くなるとき)の予測は大変難しいため、何時何分ごろというようには答えることができません。 夜半過ぎから明け方にかけてがチャンスになりますので、じっくりと観察しましょう! たくさん星が見える場所なら、暗い流れ星も見られますので、流れ星の数は多くなります。


吾妻山で撮影したペルセウス座流星群
(写真提供:郡山天文同好会 相馬幸彦さん)

 

 ところで、流れ星の正体は何だと思いますか? それは宇宙の塵です。 その多くのサイズはミリメートル程度の非常に小さな粒子ですが、これが地球の大気と衝突することにより一瞬、美しい光を見ることができるというわけです。 小さな塵でも私たちの目に美しい光として届けてくれると思うと、宇宙の仕組みは不思議だと思いませんか?
 一つ見ると、もう一つ、あともう一つと見たくなり、いつのまにかすっかり時間が過ぎてしまったというのもなかなかいいものです。

(天文係 田辺 玲奈)

2002年8月13日 読売新聞福島版 「星のある風景」より