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秋の星空をのぞく「窓」 |
2002/10/17 |
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秋の星空は、夏に比べると明るい星は多くありませんが、空気が澄んでいるおかげで思いのほか多くの星を見つけることができます。
そんな秋の星座のなかに「ペガスス座」があります。ペガスス座はギリシャ神話で翼を持つ天馬ペガソス(ギリシャ名:Pegasos)で、一般にはペガサスという呼び名で親しまれている空想上の動物です。星座名ではラテン読みのためペガスス(Pegasus)と呼ばれます。ことわざではありませんが、秋の星空でも、天の馬が高くに昇っているのです。
ペガスス座を見つけるときの目安は、4つの2〜3等星で形作られる四辺形です。星空の中では比較的明るく、街の中からでも見つけることができます。この頃ですと、夜8時ごろに東の空から見上げていくと見つかるでしょう。この四辺形は「秋の四辺形」と呼ばれていますが、昔の人々も見つけやすいこの四辺形に注目して、いろいろな見方をしてきました。
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東の空から昇るペガスス座
下半身がないのは諸説あるが、定かではない。
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中国では、このあたりの星を「室宿(しつしゅく)」や「壁宿(へきしゅく)」「離宮(りきゅう)」などと呼び、大きな宮殿に見立てました。
一方日本では、四辺形をそのままの形で、「枡形(ますがた)星」や「四隅(よつま)星」などと呼びました。これらの呼び方は、この四辺形の中に思いのほか星が少なく、がらんとした印象を受けますので、星空の様子によく合うと思います。
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秋の四辺形の星の見かた
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この四辺形の中には、街の中ではまったく星がないか、条件がよくてもせいぜい2〜3個でしょうか。5等星までの星を含めても6個程度で、あとは6等星以下ですから、よほど条件のよい山の中でも星を数えることは難しいのです。
私は、この秋の四辺形を「天の大窓」と見立てる見方が面白いと思います。秋の星空に描かれる大きな四辺形を、みなさんはどのようにご覧になるでしょうか。
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(天文係 安藤 享平) |
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2002年10月8日 読売新聞福島版 「星のある風景」より
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