広大な宇宙への誘い

2003/04/13


 

 太陽が西の空を夕焼けに染めて沈み、徐々に青空が夕闇に変わり、星が輝きだす情景を、「地球の空気のカーテンが開かれ、宇宙への広大な窓が開いた」と、素晴らしい言葉で比喩をした人がいます。私もその言葉を聞いてから、山などで星空を眺めていると、まさに自分が今、広大な宇宙空間にいることを実感するようになりました。

 


星空のある風景が
さまざまなことを語り掛けてくれます

 皆さんは夜空に輝く星たちを見て、どんなことを思いますか? その美しい輝きに見入ったり、星を結んでできる星座の物語に思いをはせたり、宇宙創成がどうなっていたかを不思議に思ったりと、いろいろなことが頭を巡るのではないかと思います。

 

 星空とその奥に果てしなく広がる宇宙は、私たちにいろいろな事を問い掛け、そして楽しませてくれる素晴らしい空間です。心が安らぐ場、天体写真を楽しむ趣味の世界、天文学の場、思索の場、そして古くから人々が関わりを持つ歴史の場として存在してきました。

 宇宙という言葉は、約3000年前の中国の書物「淮南子」で、「前後左右上下を宇と言い、過ぎ去ったものとこれから来るものを宙という」と書かれたのが由来です。それにふさわしい奥深い世界が広がっています。

 これから、私たち科学館スタッフと、星空を楽しんでみませんか? 好きな分野で星との関わりを深め、新しい宇宙の世界を発見してみてください。 さあ、広大な宇宙へ出掛けましょう!


科学の目が宇宙の面白い姿を明らかにしています
(写真はすばる望遠鏡がとらえた
オリオン星雲=国立天文台提供)

 

(天文係 安藤 享平)

2003年4月8日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より