恒星って何?
〜核融合反応で輝き続ける〜

2004/01/15


 

 私たちの目に見える星は、ほとんどが自分で光を出して輝く「恒星」です。太陽も恒星の一つですが、飛び抜けてまぶしく見えるのは、他の星と比べて私たちにとても近いためです。

 


恒星「シリウス」

 恒星が光るのは、鉄や電球のフィラメントが熱せられて光るのに似ています。恒星は、表面が数千度から一万度以上と非常に高温であるために光を出すのです。

 このように高い温度になって明るく輝く恒星では、何が起きているのでしょうか。

 私たちの周りで物を燃やしたりする時に発生するエネルギーに比べ、太陽などの恒星が出しているエネルギーはとても大きく、その源が何であるかは大きな謎でした。

 

 例えば、太陽が同じ重さの石油だったとして、今のような明るさで輝き続けると数千年しかもちません。太陽の寿命は約百億年なので、これでは実際より短すぎ、より大きなエネルギーを出す仕組みが必要であることが分かります。

 この謎が解明されたのは、1930年代に核融合反応が発見されてからです。恒星の内部では、4個の水素原子から1個のヘリウム原子ができるという核融合反応が起きていて、この時発生する大きなエネルギーのために恒星が輝き続けることが分かったのです。

 恒星は、気体でできています。初めは軽い元素である水素ばかりですが、核融合反応が中心部分から起きると、中心にヘリウムがたまっていきます。そのうちヘリウムもさらに核融合反応を起こし、その繰り返しで炭素、酸素、鉄などの重い元素が次々と作られ、恒星は玉ねぎのように元素の皮が何層も重なった構造になっていきます。

 次回は、恒星の温度について詳しくみていきましょう。


恒星の内部構造

 

(展示情報係 石原 裕子)

2004年1月13日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より