恒星の温度
〜青白い星は1万度以上〜

2004/01/27


 

 明るく輝く恒星の表面は、数千度から1万度以上の高温になっています。表面の温度は、恒星の色と関係があります。

 

 夜空の星は白ばかりだと思っていませんか? 実は星にも色があります。星の光は淡いため、人間の目にはどれも白っぽく見えてしまうのです。いくつかの明るい星には色がついて見えます。冬の時期はちょうど明るい星が多いので見てみましょう。おおいぬ座のシリウスは青白く、ぎょしゃ座のカペラは黄色、オリオン座のベテルギウスは赤く見えるはずです。

 温度が高い恒星は、何色だと思いますか? 火のイメージからか赤と答える人が多いですが、温度が高いのは青っぽい恒星です。逆に赤っぽい恒星ほど温度が低くなります。

 

 恒星の色は、温度の高い順に、青白、白、黄、オレンジ、赤などがあります。温度は、青白い星で10,000度以上、赤い星で4,000度以下くらいです。冬の空でいえば、青白いシリウスは温度が高く、黄色いカペラは中くらいの温度、そして赤いベテルギウスは温度が低いということになります。

 ところで、表面温度は恒星の明るさとも関係があります。実際の恒星たちは地球からの距離がばらばらですが、もしすべての恒星を同じ距離に置いたら、明るいのはどれだと思いますか? 一般的には、温度の高い星ほど明るくなります。つまり、青い星ほど明るく、赤い星ほど暗いというわけです。


色の対比が美しい二重星「アルビレオ」
(木村直人氏提供)

 

 ところが、同じ距離に置いても、赤いのに明るい恒星もあります。ベテルギウスもこの仲間です。これには、恒星の大きさが関係しています。どういうことなのでしょうね。次回は、そんな大きな恒星たちのお話です。

 

(展示情報係 石原 裕子)

2004年1月27日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より