星は長生き!
〜球状星団の星は百数十億歳〜

2004/02/27


 

 前回まで3回にわたり、恒星(星)の大きさや温度などについてお話をしてきました。星は地球の何万倍も大きく、温度は数千度から数万度もあります。想像もつかない高い温度ですが、もっと驚くことがあります。それは星の寿命の長さです。

 今回は、星はどのくらい長生きするのかというお話をしていきましょう。

 


太陽観測衛星SOHOが撮影した太陽。
SOHO(ESA&NASA)提供

 星は中心で核融合反応をおこすことで明るく輝いています。核融合反応が続く間、星は輝きつづけます。この時間が星の寿命です。寿命は星によってかなり違います。

 それでは、大きくて重い星と小さくて軽い星ではどちらが長生きでしょうか?

 当然、重い星は軽い星よりも核融合反応をおこす燃料がたくさんあります。燃料が多ければ長い時間輝きつづけるかというと、実はそうではありません。星は重いほど、寿命が短くなります。これは、重い星ほど激しく核融合反応がおこるためです。このために、早く燃料を使ってしまいます。

 

 それでも重い星の寿命は数百万年ほどです。短くて数百万年とは、星の寿命はずいぶんと長いものです。それでは軽い星の寿命はというと、なんと百億年以上もあります。

 年齢が百数十億歳という長生きの星がたくさん集まっているのが、球状星団です。球状星団の星は、宇宙が生まれてからしばらくして生まれた星たちのようです。

 ちなみに太陽の寿命はおよそ百億年です。現在50億歳くらいですので、まだまだ、今と同じように明るく輝きつづけていくことでしょう。


球状星団M13。 100百億歳以上という年老いた星の集団です。 五藤光学研究所提供

 

 4週にわたり恒星について紹介してきました。次回は、少し話題を変えて、春分の日についてお話をしましょう。

 

(天文係 近藤 正宏)

2004年2月24日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より