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春分の日もすぎ、本格的に春を感じる時期になってきました。そこで、今回はこの春話題となりそうな不思議な天体・すい星(ほうき星)についてお話しましょう。 |
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昔の人びとにとってすい星は悪魔の星でした。夜空に長く尾を引く巨大なすい星の姿に恐怖を感じたのです。このような大きな星はなかなか現れるものではありません。ですから、大きなすい星が現れること自体、人々にとっては一大事件だったのです。これらすい星の出現については、西洋でも東洋でもさまざまな記録が残されています。 人々はすい星のことを「不思議な化け物」とみなし、病気、飢饉(ききん)、戦争、その他の自然災害の前兆であると考え、まるでこの世の破滅が近づいているように感じて恐れたのです。 これらはもちろん科学的な根拠がまったくない迷信といえるでしょう。しかし、私が実際に今から8年ほど前に百武すい星を見たときは、すい星の正体を知らなかった当時の人々が巨大なすい星の姿に恐怖を感じたのも無理のないことだと思いました。 この百武すい星の姿は、尾の長さが空の半分をこえるという、とても雄大なもので、本当に驚きました。 |
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百武すい星出現の翌年にもヘール・ボップすい星が現れ話題となりましたが、今年の5月ごろ、久しぶりに大きなすい星を見るチャンスがやってくると期待されています。リニアすい星とニートすい星です。科学館では、これからこの2つのすい星についていろいろ紹介していきますので、みなさんもこれを機会にぜひすい星を楽しんでください。 さて、すい星とはそもそもどのようなものなのでしょうか? 次回は、悪魔の星として恐れられたすい星の正体についてお話をしましょう。 |
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(天文係 近藤 正宏) |
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2004年3月23日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より |
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