星はどれくらい見えている?
〜 1〜6等星まで並ぶ直線 〜

2004/08/29


 

 ほとんどの小・中学校のみなさんは今日で夏休みも終わりですが、宿題は終わりましたか? 今日は夏休みの最後に、簡単な星空の研究をしてみましょう。

 


夏の天の川(小野町で撮影)。 山などに出掛けると、はっきりと天の川の姿が見られます。空気の澄んだ日には郡山市街でも天の川が見られました。

 自分の家から、どれくらいの明るさの星まで見られるかを、夏の星を見ることで簡単に調べることができます。

 まず見つける星は、夏の大三角です。以前紹介しましたが、夜8時ごろ、南を向いて見上げると天頂付近に3つの明るい星がすぐ見つかり、三角形ができます。そのうち最も北より(高いところ)にある星が、はくちょう座のデネブです。

 次に、デネブから三角の中に向かって、暗い星を見つけていくと1本の線が結べるはずです。(下図参照) この直線上には明るい1等星から目で見られる一番暗い6等星まで、ずらりと並んでいます。この直線上で、どれくらいの星が見られるかを数えることで、どれくらいの明るさの星が見えているかが間単に分かるのです。

 

 もしデネブ以外見えなければ、その場所では1等星までしか見られない、星を見るには条件の悪い場所となります。ベガとアルタイルの間の星まで見られれば、3等星まで見ることができ、季節の代表的な星座は十分見つけられる場所となります。もし4等星、5等星まで見ることができれば、三角の中に注目です。4〜5等星まで見られる星空であれば、何とか天の川が夜空を流れる様子が見られるはずです。

 見る場所、天気、あるいは月が夜空に出ているかでも、どれくらいまで星が見られるかが変わってきます。この様子を調べると、立派な自由研究になります。


夏の大三角付近での星の様子。数字は星の明るさ(等級)を表しています。

 

 次回からは、見て楽しい天の川の世界をご紹介しましょう。

 

(事業課 安藤 享平)

 

2004年8月24日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より