天の川探検にでかけよう
〜いろいろな天体がある〜

2004/09/30


 

 前回は、夜空に輝く天の川の正体は私たちが住んでいる銀河系を内側から見ている姿であることを紹介しました。今回は、みなさんと一緒に天の川を探検していくことにしましょう。

 天の川はたくさんの星からできていますが、その中でも数百個ほどの明るく輝く星が集まった場所を見つけることができます。これは「散開星団」と呼ばれ、生まれたての星の赤ちゃんが集まっている場所です。でも、赤ちゃんといっても人間の赤ちゃんとは大違いで、五千万歳も年をとっています。

 さらに見ていくと、きれいな色をした雲のようなものが見られます。これは宇宙にあるガス(気体)が集まっているところで「星雲」と呼ばれる場所です。ここからやがて次の新しい星たちが生まれてきます。

銀河の中心にいて座

 さて、天の川を見ていると、特に明るく光っているところがちょうど「いて座」のあたりに見られます。このあたりが銀河系の中心付近で、特にたくさんの星が集まっています。

 


天の川を探検すると、さまざまな天体を見つけることができます。中央やや左の明るい所が銀河系の中心付近。その左上にM16星雲、右にはM7散開星団。右上には古い星たちの集団・球状星団があります。
(提供 国立天文台、AAO)

 

 さらに天の川の中心を探検していくと、数万個から数百万個の星がボールのような球状に集まった「球状星団」と呼ばれる天体を見つけることができます。球状星団は百億歳以上という、とても古い星からできているので、「宇宙の化石」とも言われています。

 このように天の川を探検してみると、実にいろいろな天体からできているということが分かりますね。

 次回は望遠鏡のお話をしたいと思います。

 

(事業課 水谷 有宏)

 

2004年9月28日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より