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ようやく冬らしくなってきましたが、星空も宵空の東を見れば、オリオン座を中心におうし座やぎょしゃ座など、冬の星座たちが昇りとてもにぎやかです。 「星座」という星の見方は、西洋で用いられた星空の区分の方法です。ですが日本にも古くから民衆に伝わる独自の星の見方がありました。 特に農業や漁業を行う人にとっては、星は規則正しく季節や時刻を教えてくれる貴重な存在で、特徴ある星や星の並びに名前を付けて目印としたのです。呼び名は地方によっても異なり「星の和名」として、星の名前の方言のような形で長い間語り継がれてきました。 |
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例えば今の時期は、夜8時ごろに天頂付近を見上げると、いくつかの星が集まっている場所が見られます。明るい星こそありませんが、狭い場所に星が集まり非常によく目立ちます。これが有名な「すばる」です。枕草子にも「星はすばる・・・」と書かれていることから、その名前の歴史の古さがわかります。 これ以外にもすばるの呼び名は日本にたくさんあります。すばるが訛(なま)った形として「すまる」「すばり」「しばる」など、地方によって少しずつ異なった呼び方をしています。それ以外にもすばるが6個の星が集まっている様子を表した「むつらぼし(六連星)」や、星の並びを羽子板の形に例えた「はごいたぼし(羽子板星)」、さらには見たまま「ごちゃごちゃぼし」などもあります。 |
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農業の目印としては福島では「すばるの山入り麦蒔(ま)きのしゅん」と言って、夜明けにすばるが西の山の上にぎりぎり見えている時が麦を蒔くよい時期になるということをことわざのようにして語っています。 このように、日本にも非常に豊かな星の見方があるのです。次回は生活に根ざした星の見方を、特に福島で伝えられた見方について紹介しましょう。 |
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(事業課 安藤 享平) |
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2005年1月11日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より |
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