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昔の日本でも、星や星を結んでできる形に呼び名(星の和名)を付けていました。そして、その星を見ることで、種まきの時期や時刻を知るなど、生活の中で大切な役割を果たしてきたのです。 |
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例えば、いわき市ではオリオン座の三ツ星のことを「サンダイボシ」と呼んでいたことが今でも語り継がれています。大正生まれの方が語るには、「時計ねえからね。今日は幾日だな、サンダイボシあそこだから、何時だな、まあせいぜい違ったって10分くらいだっぺな」 。星が時刻を知る目印となっていたことが分かります。 そして、北極星(その和名「ネボシ」)についても語っています。「ネボシ、ネボシ言ってた。(中略)北極星は絶対動かねぇから。サンダイボシなんかは時間が来たら動くけれども・・・ 。昔はコンパスねえから、そういう星を頼りに、航行したんだから・・・。今のコンパスは、狂うときあるんだわ。(中略)星は絶対狂わねえから」と、ネボシがほとんど動かないということを知っており、船に乗るときには、方角の目印としていたことが 分かります。 |
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このように、生活の中に星が取り入れられてきたのですが、昭和に入ってからはだんだんと時刻を知るには時計が、航海で方角を知るにはコンパスが一般的に用いられるようになり、そして地域で星の名を語り継いでいくという伝統も次第になくなってきたのです。 星の和名は、地域によっても異なります。同じ福島県内でも、三ツ星のことを「サンダイショウ」と呼んだという記録もあります。みなさんの身近なところで、星の和名や星と生活の かかわりなどがあれば、ぜひお教えください。 次回は、まだ星の和名が残っていた100年前の天文学をご紹介します。 |
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※参考文献=北尾浩一著「星を見よう!」、野尻抱影著「日本星名辞典」 |
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(事業課 安藤 享平) |
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2005年1月25日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より |
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