日本の宇宙飛行士
〜2年ぶりシャトルに搭乗〜

2005/06/17


   

 前回は宇宙へ行くためのロケット、スペースシャトルについてご紹介しました。来月、そのスペースシャトルが2年ぶりに宇宙へ飛び立つ予定です。

 2003年2月の不幸な事故以来スペースシャトルの飛行は中断されてきました。この間、より安全な飛行を実現するためにさまざまな取り組みが行われてきました。その成果が試される大切な飛行に多くのアメリカ人に混ざって日本人の野口聡一宇宙飛行士が参加します。日本人としては5人目のスペースシャトルへの搭乗です。

 

   


日本人宇宙飛行士(後列左から)野口、古川、星出、若田、毛利、土井(前列左から)向井、山崎(敬称略)
(C)JAXA

 日本人宇宙飛行士として最初に宇宙へ行ったのは毛利衛さんです(秋山豊寛さんは1990年に宇宙特派員として宇宙へ行きました)。1992年9月12日に打ち上げられたスペースシャトルに搭乗した毛利さんは無重力状態を利用したさまざまな実験を行いました。この9月12日は一般公募によって「宇宙の日」に選ばれ、9月を中心にさまざまなイベントが行われています。

 その後、日本人女性初の宇宙飛行士である向井千秋さん、特別な技術が必要なロボットアームの操作を行った若田光一さん、宇宙服を着て船外活動を行った土井隆雄さんらが次々とスペースシャトルに搭乗し、宇宙医学の研究や様々な実験、国際宇宙ステーションの建設などにかかわってきました。

 

 今回野口さんが参加するミッションは、国際宇宙ステーションの組み立てや部品交換、物資の補給、飛行再開における技術検証などです。野口さんは船外活動の主担当を努めるほか、通信や撮影もします。

 打ち上げ時期は7月13日から31日の間(米国時間)と少し幅がありますが、この時期はみなさんもぜひニュースに注目してみてください。

 さて、次回からは世界初の挑戦となる日本のロケット「はやぶさ」についてご紹介しましょう。


国際宇宙ステーション完成予想図。現在建設中の
宇宙ステーションに野口さんも滞在します。
(C)NASA/JAXA

   

(事業課 近藤 正宏)

     

2005年6月14日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より