宇宙人を探せ!(2)
〜星団へメッセージ送る〜

2006/03/16


   

 前回は、宇宙人が住めそうな惑星を探すお話でしたが、見つかるまでには時間がかかりそうでした。ほかに宇宙人を探す方法はないのでしょうか。もし宇宙人がいるなら、例えば交信することはできるのでしょうか。

 

   


アレシボ天文台から宇宙人へ向けて
送られたメッセージ

 いつでもどこでも遠くにいる人とお話しできる携帯電話は、電波を使って通信しています。電波は遠くまで届くので、もし宇宙人が電波を出していたら地球のアンテナで受信できるかも知れません。例えば、プエルトリコにあるアレシボ天文台のパラボラアンテナで受信した電波データの中に、宇宙人からの電波信号がないかどうかを探すという計画があります。たくさんあるデータの中から信号を探し出すためには、一台のコンピューターでは処理が間に合わないので、この計画ではインターネットにつながれた全世界のコンピューターの力を借りて信号探しが行われています。

 逆に、地球から宇宙人へ向けて電波を送ったこともあります。アレシボ天文台からは、1974年にM13という球状星団へ向けてメッセージが送られました。宇宙人がメッセージに気付いて返事をくれるといいのですが、地球からM13まで電波が届くのに2万3500年くらいかかるので、返事が来るとしても何万年も先のことになります。

 
 宇宙はとても広いので、宇宙人はどこかにいるのではないでしょうか。そのうちに宇宙人からのメッセージを受信することができるかも知れませんし、何万年か後に私たちの遠い子孫が宇宙人へ送ったメッセージの返事を受け取ることができるかも知れません。ただし、それも人類が戦争や環境破壊などで滅びずに生き残っていればのことです。宇宙人と出会うためには、私たち人間がお互いに助け合いながら仲良く暮らしていくことが大切なのですね。


宇宙人へ向けてメッセージが送られた
球状星団M13(国立天文台提供)

 

(事業課 石原 裕子)

     

2006年3月14日 福島民友新聞 「ふくしま星空散歩」より