日本天文学会で東北地方に多くの天文学者が大集合する機会に、スペースパークにもお越しいただき、天文学者の方々に宇宙のいろいろな話題を紹介いただきました。第1弾は9月8日(日)「宇宙図2013」をテーマに、第2弾は9月14日(土)にさまざまな宇宙をテーマとしたワークショップや講座をもりだくさんで開催しました。
2007年に科学技術週間にあわせて「宇宙図」が制作されました。それから6年たち、新しいデータや理論が次々と発表され、宇宙図の姿も変わってきました。そこで今年、「宇宙図2013」というデータを最新にし、デザインもさらに改良されたポスターが発表されました。この宇宙図の制作に携われた東京大学の高梨先生と、デザイナーの小阪先生にお越しいただき、宇宙図の見方についてご紹介をする講座を9月8日(日)に開催いたしました。
まずは、親子向けのわかりやすい講座を13時から開催しました。宇宙が膨らんでいく様子を風船を使って実験を行うなど、わかりやすく宇宙図の見方についてご紹介いただきました。
15時からは大人向けの宇宙図ゼミを開催しました。宇宙図の見方は、国立天文台か開発した「mitaka」を使って、宇宙の果てまで旅をして、現在の宇宙がいったいどのようになっているかなど、より詳しく最新の宇宙像についてご紹介いただきました。
質問の時間では、さまざまな質問が飛び出し、「私たちの宇宙はどうなっているのか」、「どうして生まれたのか」など、かなり難しい質問まで飛び出してきましたが、宇宙図を使って、みなさんと議論を深めていました。
高梨さん、小阪さん、どうもありがとうございました!
高校教諭で、天文教育普及研究会会員の橋淳さんをお迎えして、小さなお子さんからみんなで楽しむ「うちゅうちぎり絵」づくりを行いました。
まず橋さんらが書かれた絵本「ホシオくん天文台へゆく」の読み聞かせを、スペースパークボランティアの会・案内サービスボランティアの佐藤サトさん・酒井蓉子さんに行っていただきました。情景が目に浮かんでくる、素敵なお話でした。
宇宙の広い世界を聞いたあとは、自分のお気に入りの天体写真をもとに、ちぎり絵作りです。途中からは大人の方のほうが熱心になりながらも、世界にひとつだけの「宇宙ちぎり絵」ができました。
そして、それらの天体がどのようにしてできたのか、私たちと広い宇宙とのかかわりを橋さんからご紹介いただきました。私たちも、宇宙のいろいろなものも、最初は同じだったこと、そこからさまざまな姿に変わっていることなどを、作ったちぎり絵を見ながら知ることができました。
愛知教育大学特任教授の沢武文さんをお迎えして、オリジナルパソコンソフトを用いて宇宙の広がりを、いろいろな天体と比較しながら見ていく形でご紹介いただきました。
自分を中心に、見る世界を10倍ずつ広げていくとどのような宇宙が見えてくるのか、今回の講座にあわせて郡山を出発して広がりを知るソフトを新たに制作していただきました。
郡山駅前周辺と小惑星「イトカワ」を比べたときには「小さい!」という声も聞こえました。その後どんどん宇宙の広がりを見ていき、宇宙の果てまでたどり着きました。大きさがつかみにくい宇宙の広がりも、身近なものと比較しながら見ていくことで、改めてスケールの大きさを知ることができました。
なお、沢さんが作られたオリジナルパソコンソフトは、参加のみなさんにプレゼントされました。みなさんもぜひ自宅で宇宙の広がりを探究してください。
京都大学教授の嶺重慎さんをお迎えして、ブラックホールの謎に迫る話題をご紹介いただきました。
嶺重さんがブラックホール研究を始めたころのお話や、現在までにわかってきたブラックホールのこと、そして「これが観測できればノーベル賞」というベールに包まれた部分などを、ユーモアたっぷりにご紹介いただきました。
講座後にはたくさんの質問もあり、感心してしまう視点の質問も出ました。講師の嶺重さんも、いろいろな質問などで参加された方の声が多く聞くことができ、関心の高さを実感され「大満足」と笑顔でした。
展示ゾーンで、宇宙の話題についての「ミニトーク」と、自由に天文学者と語る「質問コーナー」を行いました。沢武文さんと嶺重慎さんが展示ゾーンに登場し、フレンドリーに参加されたみなさんと宇宙の話題を語りました。
熱心な小学生の子からは次々と質問が飛び出し、その後も天文学者の方々と気軽にお話していただきました。
今回は、天文学者と参加者のみなさんがお互いの顔が見える形での企画を多数行いました。印象的だったのは、終わってからお帰りになる参加者のみなさん、そして天文学者の方の素敵な笑顔です。
参加されたみなさま、講師の高梨さん、小阪さん、橋さん、沢さん、嶺重さん、ありがとうございました!
今後もスペースパークでは、コミュニケーションを取りながら、いろいろな宇宙のことを楽しく理解できる企画を多数行います。引き続きご期待ください!