彗星の見かた |
彗星は非常にぼんやりとした天体です。そのため、夜空が明るいか暗いかで大きく条件が変わってきます。街か山かでまったく違いますし、月が夜空に出ているかいないかでも、大きく変わってきます。特に街の中では、あまり写真で見るような姿をイメージしないことも大切です。
彗星に限らず星を見るときには、暗いところに目を慣らして、目を大きく開くことが大切です。街灯や車の明かりなど、まぶしい光が目に入らないところで10分くらい眺めていると、いつも思っている以上に星がよく見えてきます。
星がたくさん見えてきたら、彗星をすぐ見つけようとはしないで、彗星の近くにある明るい星から見つけましょう。上にある時期別観望ガイドで、星座との位置関係をつかんでおくと、ずっと探しやすくなります。明るい星から、彗星のある場所にたどっていくと見つけやすくなります。 |
街の近くでのヘール・ボップ彗星。街の中では、「ひとだま」のようなぼんやりした姿で見られました。
|
街のなかでは、星と違いぼんやりとした姿で見えます。それが彗星の頭部です。尾はさらにぼんやりと淡く広がっていますので、街の中ではよく分からないか、頭部に近い明るい部分のみが見られるでしょう。でもがっかりしないで、太陽系の中を旅してきた彗星の姿をしっかりと目に焼き付けてください。 |
彗星観望にあると便利なもの |
◆星図、星座早見盤・・・今見ている星空の中で、彗星がどの場所にあるのかを知っていないと、彗星がどこにあるかわからなかった、なんてことにもなりかねません。 |
◆懐中電灯・・・明るく照らすことはもちろんですが、手元の星図や星座早見盤を照らす ときは、白い光では明るすぎて目がくらんでしまいます。赤いセロハンを貼ったりして、赤い光にしておくとよいでしょう。(キャンプ用品で赤いフィルターがセットになったライトも市販されています) |
◆敷き物・・・キャンプ用品にあるマットがあれば、地面に寝転がって観望するときにも便利です。レジャーシートなどでも大丈夫ですが、地面から寒さが伝わってきます。そんなときは毛布などをかぶりながら観望するとよいでしょう。 |
◆その他・・・双眼鏡、暖かい飲み物、お菓子など、みなさんの楽しみかたに応じて準備してください。 |
彗星観察によい場所は? |
チャンスがあれば、なるべく空の暗い場所に出かけることをお勧めします。街から近い場所でも、彗星の見られる方向に街がなければ空は暗いですので、彗星を楽しむことができます。 |
そして、彗星は空の低いところに見られますので、彗星の見られる方角が開けていることが条件となります。4月下旬でしたら、東が開けた場所であること、5月中旬から下旬にかけては、西の空が開けた場所が観察によい場所となります。 |
もし泊りがけで山や海などに出かけるときは、彗星のほかにも普段見られないたくさんの星を見たり、周りの自然も楽しみましょう。(彗星だけが目的ですと、曇ると悲しくなります。旅行として楽しんでください) |
彗星を詳しく見てみよう! |
・双眼鏡で見る彗星の姿
双眼鏡の助けを借りると、街でも彗星は見つけやすくなります。あまり高すぎない倍率がおすすめです。オペラグラスなどの小さなものでも、人間の目に比べればずっとよく星が見えますので、一度試してみてください。
山などでも双眼鏡で見る彗星の姿は尾の細かな様子などがわかり面白いです。 |
・望遠鏡で見る彗星の姿
望遠鏡は倍率が高くなりますので、肉眼で尾を引く姿がわかるくらいの大きな彗星ですと、全体の様子はつかみにくくなります。そのときは、彗星の頭部を見てみると、尾が出る部分が細かく見られます。
また肉眼では暗く、小さくなってしまった彗星の姿を見るときには、望遠鏡が有効です。 |
<気をつけよう!> |
夜の暗いところ観察するときは、安全には十分気をつけて楽しんでください。 |