第2回「酸・アルカリ実験アラカルト」 開催報告

2004/06/26


 郡山市ふれあい科学館では、平成16年度の第2回「サイエンスセミナー」を平成16年6月24日(木)に開催しました。今回は「酸・アルカリ実験アラカルト」をテーマに、たくさんの実験に挑戦しました。
 今回の参加者22名のうち、中学校の理科の先生が1名、小学校でも理科を専門としている先生は3名で、大部分が理科を専門としない先生方でした。そのようなこともあって、はじめはなんとなく不安そうな表情でした。

 今回のメイン講師は、科学館の「元気のみなもと」大越 清美です。
 最初の実験は、いきなりティータイム!? 三つのグラスにはハーブティのひとつマロウティが入っています。
 「もったいないっ!!」 なんとせっかくのお茶にレモン、ベーキングパウダー、アンモニアなどを入れてしまいました。すると鮮やかな色に変わっていきます。酸性・アルカリ性の性質を調べるためマロウティの色の変化に注目した実験でした。

 次は「カレー粉」です。今日の実験は台所にあるものばかりです。 カレー粉に含まれる香辛料「ターメリック」がアルカリ性を調べるのにとっても役に立ちます。
 アシスタントの難波から、ターメリックを使った試験紙の作り方の説明がありました。

 続いて、ムラサキキャベツを使った試薬作りです。細かくちぎったムラサキキャベツを鍋で煮て、その煮汁を使います。
 待っている間に、ターメリック紙とムラサキキャベツ紙を使って様々な水溶液の性質を調べていきます。

 

 次は本日のメインの実験、「紅花染め」体験ですが、いきなり白い布に割り箸を当てて、きつく輪ゴムを巻いていきます。
 染物と科学!? どんな関係があるの?そんな不安と疑問を抱きながら作業していたとき、大越から意外な説明が・・・。「みなさんの前においてある紅花の汁は、今アルカリ性になっています。」
 ついに染物と科学が結びついてきたようです。

 

 輪ゴムを巻きつけた布を水にぬらし、紅花汁に15〜20分間浸します。
 その後、アルカリ性のこの液体から別の液体に移します。その液体は「酢」です。 「酢」は何性だったでしょうか?

 

 酸性アルカリ性の色に関する実験の後は、「卵」「チキンの骨」「ミカンの缶詰(皮むき)」実験です。
 金属を溶かす酸性の水溶液とタンパク質を溶かすアルカリ性の水溶液の性質が一目で理解できます。

 

 最後は、岡田のミニ講座「産業革命と科学・技術」です。産業革命期の繊維工業、特に織物の仕上げ(漂白・晒し・染色行程)での技術的課題の解決から酸アルカリ工業が発展してきたことを例にあげ、科学が人間の諸活動と密接に関わって発展してきたことを講演し、講座は終了となりました。

 終了後の参加者の感想には「理科が専門ではなかったので最初は不安でしたが、大変楽しく参加させていただきました」、「昨年も参加したのですが、楽しかったので今年も申し込んでしまいました」とおおむね好評のようでした。実験道具や染物のハンカチのお土産があったせいかも・・・?
 今後は、8月3日(火)・4日(水)にも福島大学と連携してサイエンスセミナーを開催いたしますので、ぜひお申し込みください。