100年前の実験に挑戦!
〜電信機の仕組みとは?〜

2003/11/28


 

 「100年前の実験」とは何でしょうか。また100年前の日本はどんな時代で、どのようなことを子供たちは学んでいたのでしょう。見当もつきませんね。

 100年前、日本は明治時代の後半でした。明治の初めには1万円札で有名な福沢諭吉たちが外国の文化や科学を紹介した翻訳書が数多く出版されました。

 


「少年工芸文庫」に紹介されている実験の様子 (写真1)

 

 その後、明治後期から大正期にかけては子どもたちや一般の人々にも分かりやすく書かれた科学書ブームが起きました。この時期に郡山出身の石井研堂は彼の業績の一つである子ども向けの理科読み物を出版しました。「100年前の実験に挑戦」とは彼の出版物の中で紹介された実験を復元しようというものなのです。

 

 ふれあい科学館は、以前から研堂の再評価に取り組んでいた県立博物館と連携して親子を対象とした講座を開催します。

 今回で第3回目となる講座の内容ですが、研堂の著書「少年工芸文庫」の中では「トン・ツー」で有名なモールスの電信機とその原理となった実験が紹介されており、今回はこの実験を再現してみます。

 写真1が実験の様子ですが、これだけでは何だか分かりませんね。電信機ですから電池や電気の部品も必要なようですが見当たりません。さて、当時はどのような実験だったのでしょうか。参加者のみなさんには、なんと材料作りから取り組んでいただきます。成功することができるでしょうか。


昨年12月に開催した講座の様子

 

 また研堂がこのような書物を出版した背景や研堂の人となり、彼の書物が後世の人々に与えた影響などについては県立博物館学芸員の佐藤洋一さんがたくさんの資料をもとに楽しい解説をしてくれます。一度に科学と歴史の両方を体験できるお得な講座です。

 「…に挑戦!」というタイトルは実はこのような科学と歴史を結ぶ講座を開催するに至った私たちふれあい科学館と県立博物館の意気込みを表しています。

 ぜひ皆さんも100年前の実験に挑戦してみませんか? 参加ご希望の方はふれあい科学館で現在受け付け中です。お電話でお問い合わせください。定員は親子20組で先着順。

 
【募集要項はこちら】  

(事業課展示情報係 岡田 努)

 

2003年11月27日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より