郡山市ふれあい科学館では、年末のイベントで「音で楽しく年を越そう!」を行いました。手作りの大型楽器や見たことのない民族楽器、変わった形の楽器…。たくさんの楽器を展示して自由に音を鳴らし、演奏会も開きました。音楽を好きな方はもちろんのこと、子どもから大人まで夢中になって、にぎやかに楽しく過ごしました。科学館で音楽?と疑問に思うかもしれませんが、私たちの身の回りにあふれている音と科学はつながりがあります。
音をテーマにした年末イベントの様子
【音が聞こえる仕組み】
皆さんは「どうして音が聞こえるの?」という質問に戸惑うと思います。その答えは振動にあります。音の元になる音源からの振動が空気に伝わり、耳の鼓膜を震わせ、脳が音として感じることで初めて聞こえます。
宇宙では振動を伝える空気がないので、いくら上手に楽器を演奏しても聞くことはできません。空気のほかに、身近なところでは水などの液体や柱などの固体も振動を伝えることができます。音が聞こえるためには、音の元になる音源と音を伝えるものが必要になるのです。
手作り楽器「パイプdeポン」
【音の高さは何で変わる?】
音の高低にも振動がかかわっています。年末イベントの中で、音階を調節した手作り楽器をいくつか展示しました。「パイプdeポン」や「ポン・ぷー」は筒の長さで空気の振動を変えています。筒が長いと中の空気の量も多くなるので、大きく振動し、低い音になります。逆に短ければ、細かい振動となり、高い音が出るわけです。つまり、筒の長さを変えていけば、音階も作れます。
このことを利用している楽器に、指で穴をふさぐことで音階をつくるリコーダー、管の長さを変えるトロンボーンなどがあります。実際に体験してもらうために、イベントの工作コーナーでは、自分で長さを調節できるトロンボーン式リコーダーを作りました。
展示された「ポン・ぷー」
【瓶で音を作る】
瓶の口に息を吹き込むと音が出ます。瓶の中に水を入れ、水の量を変えて、吹いてみると、音の高さが変わります。前に紹介したように、水の量で瓶の中の空気の量も変わるため、水の量を増やしていけば、音は高くなっていきます。
しかし瓶をたたいた場合は、不思議なことに水の量が多いほど低い音になります。これは空気が振動しているのではなく、瓶と水が振動し、音を出しているからなのです。
皆さんも何が振動して音が出ているかに注目して、さまざまな音を聴いてみてください。音を作ったり、探したりするのも面白いですね。音楽だけではなく科学の分野からも音を楽しんでみてください。
(事業課 渡邉 里奈)
2007年2月1日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より