ふれあい科学館の4月のサイエンスショーは「カラフルカラー〜色のひみつ〜」です。今回のショーでは、わたしたちはなぜ、こんなにもさまざまな色が見えるのかという身近な疑問を、実験を通して解き明かしています。みなさんは、自分で見ている色を正確に他の人に伝えることが出来ますか? もしかしたら私たちが見ている色は、ほかの人には違って見えているかもしれません。
白色光の色を分けた様子
【白が作り出すカラー】
太陽の光はみなさんがよく知っている虹のように、複数の色の光が混じっています。この混じった光は私たちには白、もしくは無色に見えます。これを白色光といいます。この太陽からの光がリンゴに当たったとすると、青や緑といった色は、リンゴに吸収されてしまい、赤などの吸収されなかった光の集まり(反射光)が私たちの目に届きます。結果としてこの反射した光の集まりを私たちは「赤い色」として見るので、リンゴは赤いのです。
つまり、太陽や蛍光灯など自分で光るものを除けば、物の色が見えるということは色の引き算なのです。白色光から物が吸収した色を引き算すると、残った色がその物の色になります。
「カラフルマジック」のショー
【カラフルな影?】
このことを利用すると面白い実験ができます。赤・緑・青の3色のライトで同時に同じところを照らすと、太陽の光と同じような白色光になります。この足し合わせた3色の光を「光の3原色」といいます。この白色光の中に立つと、太陽の下なら黒い影ができるはずなのですが、なんと、水色・赤紫色・黄色の3色の影ができるのです。これは、照らすライトの角度が違うため、人が立つことで3色の光の内ある1色だけが遮られます。青い光が遮られたとすると、白‐青=黄色の影ができるというわけです。ショーでも子どもたちがとても楽しそうに参加してくれています。
これ以外にも色にはさまざまな秘密があります。たとえば、色には見て感じる温度があります。赤い色は暖色系、青い色は寒色系といって、両者の体感温度の差は3度くらいあります。また、色は大きさを錯覚させます。白い色は実際よりも大きく、黒い色は小さく見える…などなど、紹介しきれないほどの科学があります。
4月のサイエンスショーではこれに加え、あっと驚く「カラフルマジック」を紹介しています。ぜひ見に来てください。
(事業課 遠藤 史貴)
2007年4月12日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より