私たちは暮らしの中でさまざまな紙を使っています。たとえば新聞紙、ティッシュペーパー、紙パック、お札…身の周りには紙でできているものがたくさんあります。さらに用途、重さや厚さ、塗料、原料の違いで細かく分けると、数千種類にもなるといわれています。今回はその中の一つ、段ボールをご紹介します。
段ボールの構造
段ボールは軽量で丈夫なことから、木箱が主流だった輸送容器に変わって普及しました。今では宅配便や引っ越しの荷造りにかかせません。また、丈夫なだけではなく、ガラス製品などの割れ物を包む緩衝材の役割も果たします。このように、軽量でありながら、頑丈で、衝撃吸収性を持つ段ボールは、どのような構造をしているのでしょう。
詳しく見てみると、フルート(波形の中しん)と二枚のライナ(板紙)に分かれます。しん部分のフルートは、紙を波形に折り曲げ、形を変えることで強くなっています。紙は折ることによって何倍もの重さに耐えられるようになります。そして、その強くなったフルートをサンドイッチのように、上下からはさんでいるのがライナです。ライナは、しん部分の折りが変形しないように固定する働きをしています。これらの特徴のある構造によって、頑丈になっているのです。
2人乗ってもびくともしない段ボールの平均台
段ボールにはいくつかの厚さがあります。一番よく利用されているのが、フルート1つを2つのライナではさんだ、5ミリほどの厚さのタイプです。そのほかに、1ミリ以下の薄いものや、フルートを3段にしたとても厚い強化段ボールもあります。これらは、工作や個性的な家具など、インテリア材料としても使われるようになりました。また、新鮮さを保てるものや、水に強い段ボールなど、新しい性質を加えた機能性段ボールも活躍中です。
ふれあい科学館では、来年1月14日まで企画展「ダンボールで遊ぼう」を開催しています。段ボールでできたすべり台やシーソーなどの遊具で実際に遊んだり、工作を楽しんだりすることによって、強さを体験することができます。ぜひ企画展で思いっきり遊び、紙でできた段ボールのすごさをご体験ください。
(事業課 渡辺 里奈)
2007年12月13日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より