(C)JAXA 「きぼう」完成予想図
3月11日に打ち上げられたスペースシャトルで宇宙へ行った土井隆雄宇宙飛行士の活躍が、連日連夜、新聞やテレビなどで大きく報道されていましたので、ご存じの方も多いと思いますが、待ちに待った国際宇宙ステーション(International Space Station=略称ISS)の日本モジュール「きぼう」の建設がついに始まりました。
ISSの建設は、1998年のロシアのモジュールの打ち上げから始まり、現在、2010年の完成を目指しています。完成すると、地上約400キロメートル上空に108メートル×73メートルのサッカー場のフィールドと同じ大きさのものができます。
「きぼう」は、宇宙飛行士が長期間活動できる日本初の有人宇宙施設です。「きぼう」は、実験スペースの船内実験室・船外実験プラットフォーム、保管スペースの船内保管室・船外パレット、実験や作業に使用するロボットアーム、衛星間通信システムから構成されています。大きさは、全体で長さ20.5メートル、幅8.9メートル、高さ8.6メートルになり、船内実験室だけでも大型バスぐらいの大きさになります。
建設は、3回のミッションに分けて打ち上げられ、土井隆雄宇宙飛行士が船内保管室、次に星出彰彦宇宙飛行士が船内実験室とロボットアーム、最後に若田弘一宇宙飛行士が、日本人初の長期滞在を行い、船外プラットフォームと船外実験パレットを組み立てます。
「きぼう」は、日本人自らの手で組立てられ起動や検証を行います。
地上とは全く異なる環境の微小重力、宇宙放射線、高真空、豊富な太陽エネルギーなどを利用して、地上では作れない材料の研究、生物の飼育や観察など私たちの生活に役立つさまざまな実験が行われる予定です。これからの夢のある実験に期待したいですね。
実物大の「きぼう」
科学館には、「きぼう」の船内実験室の一部を実物大で展示してあります。また、立体映像で「きぼう」を紹介するミニシアターもあります。完成前に一足先に「きぼう」を体験してみてはいかがでしょうか?
その他にも、月面の重力を体験できるムーンジャンプや宇宙飛行士の訓練を体験できる「トリプルスピン」など、宇宙飛行士の気分も体験してみてください。
(事業課 鈴木 典秋)
2008年4月3日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より