いよいよ2009年、世界天文年が始まりました。皆さんは今年に入ってから星を見ましたか? 最近、宵空の南西の方角にとても明るく輝く星が見つかります。宵の明星・金星です。愛と美の女神ビーナスの名をもつこの星は、とても明るく美しく輝いていて、今が見ごろです。
国際宇宙ステーションの軌跡
郡山市ふれあい科学館 撮影
★飛行機!?UFO!?
この金星、あまりに明るいので、たまにUFOと勘違いされることもあります。これまでにも何度か科学館に問い合わせの電話が来たほどです。
さて、この金星くらい明るい天体が、夜空を動いていく様子を見たことがありますか?
チカチカと点滅していたら、「飛行機だ!」ということになりますが、点滅せずにかなりのスピードで動いていきます。「まさかUFO!?」と思ってしまいそうですが、もちろんそうではありません。これは、国際宇宙ステーション(ISS)です。
宇宙から撮影されたISS (C)NASA/JSC
★ISSを見よう!
ISSは日本を含めた16の国や機関が参加して建設を進めています。完成すればサッカーグラウンドくらいの大きさになり、現在も常に3人の宇宙飛行士が滞在しています。ISSは地上から約400キロメートルの高さを飛び、約90分で地球を1周しています。
長く見られる時は、数分かけて空を動いていきますが、ISSが見られるのは、日本上空付近を通過するときだけです。下記のホームページで、ISSがいつ見えるのか調べて、ぜひチャレンジしてみてください!
JAXA 国際宇宙ステーションを見よう http://kibo.tksc.jaxa.jp/
★日本の実験棟「きぼう」
日本が担当しているのは「きぼう」と名付けられた実験施設です。昨年3月に船内保管室が、6月に船内実験室が取り付けられ、今年5月に完成する予定です。すでに、凍らせ方によって、氷の結晶がどのように変わるかを調べる実験などが始まっています。これは冷凍食品の製作などに役立つかもしれません。
宇宙は無重力状態ですので、物がよく混ざったり、純度の高い物質を作りやすいといった特徴があります。これを活かして、地上では作れない新素材を作り出せるかもしれません。宇宙での実験が、やがて私たちの生活に役立つことでしょう。
科学館では2月までプラネタリウム一般番組「宇宙の実験室〜国際宇宙ステーション「きぼう」実験棟〜」を投映しています。今夜見える星空とともに、ISSや「きぼう」について紹介していますので、ぜひご覧ください。
(事業課 近藤 正宏)
2009年1月22日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より