科学の広場

夏休み工作教室 科学で遊ぼう!!(3)「スライムを作ろう」

 ゲームのキャラクターなどで、今ではすっかり身近になった「スライム(写真1)」。もともとは英語で「どろどろしたもの、いやなもの」という意味があり、あまりよいイメージの言葉ではありません。しかし、その不思議な感触で、スペースパークでも大人気の工作です。



洗濯のりの成分の化学変化を利用して作る「スライム」
(写真1)

 

 作り方はとても簡単で、準備するものは、洗濯のり(ポルビニルアルコール)、色水、ホウ砂(しゃ)とこれらを混ぜる容器です(写真2)。まず、40ミリリットルの「洗濯のり」と、同じく40ミリリットルの「色水」をよく混ぜます。最後に、「ホウ砂」を溶ける限界まで溶かした水(飽和溶液)」を10ミリリットル加え、さらに混ぜると完成です。容器を使わずビニール袋の中で浅漬けをもむように混ぜると、スライムの変化を手のひらで楽しめます。

 でも、スライムの不思議な感触はなぜできるのでしょう? 洗濯のりの成分(ポリビニルアルコール)は、細い糸のようになっています。これにホウ砂を加えると、ホウ砂が糸と糸の間をつないで網のようになります。その網に水がひっかかると、プルンプルンした「ゲル」という、ゼリーやプリンと同じ状態になるのです。このように、もとの物質から別の物質に変化することを化学変化といいます。



スライム作りに必要な用具
(写真2)

 

 スライムの感触は材料を混ぜる割合で変えることができます。また、スライムに塩を混ぜてみると、さらに違った変化が起こります。ふだんと違ったスライムの変化を体験してみましょう。

 調合の割合や材料以外のものを加えた時のスライムの様子を自由研究として発表するのも面白いかもしれませんね。

 
(郡山市ふれあい科学館 事業課 梅本 顕史)

2009年8月15日 福島民友新聞 郡山版「夏休み工作教室 科学で遊ぼう!!」より