春の暖かな陽気の中、日が暮れたら星空を見上げてみましょう。すると南の空高くに太陽系の惑星の一つ、土星と、しし座の1等星「レグルス」が並んで輝く様子を見つけることができます。
星空を見上げると、空という大きな天井に星たちが張り付いているような、平面的な世界に感じますが、土星までの距離は13.5億キロメートル、レグルスまでは70光年(何と662.3兆キロメートル)と、距離には大きな違いがあります。星空を見上げる、ということは広大で奥深く広がる宇宙を見ている、ということなのです。
「星の数ほど」という言葉がありますが、宇宙にはとてもたくさんの星があり、私たちの目ではほんの一部を見ているに過ぎません。星空に双眼鏡や望遠鏡を向けると、目ではわからなかった多くの星たちが輝いていることに気が付きます。特に、天の川に向けてみると、それは星が集まることでぼんやりとしていたことに気が付きます。
宇宙をどんどん広く見ると… (C)GOTO
宇宙の中で、私たちは2000億個もの星が集まる「銀河系」の中にいます。その形は、まるで目玉焼きのようです。
宇宙の広がりを、「銀河系」をマンションだと考えて例えてみると、2000億の星という部屋が集まる中、「太陽系」という部屋に、地球は太陽を中心とする家族で住んでいるといえます。
さらに宇宙を詳しく見ていくと、「銀河」という、銀河系と同じ星の大集団を見つけることができます。これらが、銀河系のまわりに、どのようにあるかを、地図のように描いてみると、銀河がある程度の数ごとに集まりを作っていることがわかります。これらの集まりを「銀河団」といい、私たちは「おとめ座銀河団」の中にいます。やはり例えるなら、「銀河」というマンションが集まった、「銀河団」という団地を造っているといえます。
このような団地が、宇宙にはあちこちにあり、網の目のような姿をして広がっていると考えられています。なんだか広すぎて、ピンとこない世界が広がっていますね。
科学館の宇宙劇場では、このゴールデンウイーク中「宇宙の果てへ大冒険」で不思議な宇宙の旅へと出かけます。ご家族みなさんで、お楽しみください。このほか、家族で実験や工作を楽しめる「サイエンスフェスティバル」などをご用意して、お待ちしております。
(事業課 安藤 享平)
2008年5月1日 福島民報新聞 情報ナビ タイム「スペースパーク便り」より