星の広場

世界天文年 宇宙の魅力(1)「皆既日食」

 今年は「世界天文年」で、22日には日本で皆既日食を観測できるという記念すべき年。郡山市ふれあい科学館の天文担当者らが10回にわたり、日食観測の仕方や星空の楽しみ方、夏休みのイベントなどを紹介する。

 今日は全国各地で日食を観察することができます。特に鹿児島県のトカラ列島などでは「皆既日食」となり大きな話題となっていますが、晴れていたらぜひ身近な場所でご覧ください。

 郡山周辺では、図のように太陽が欠けていきます。午前11時12分に最も太陽が欠け、三日月のような姿になります。およそ2時間半の部分日食を楽しむには、ずっと屋外に出ている必要はありません。日食の時間中に何度か見ることで、太陽が欠け再び戻っていく様子を、仕事の合間などでも見ることができます。



郡山市での日食の見え方

 
 太陽の輝きは欠けているとはいえ非常に強く、部分日食中も直接目で見ることは避けてください。太陽観察の専用フィルターを通して見ます。まぶしくないように、と黒いゴミ袋を重ねて見ることなどは危険です。特別な方法・道具を用いない限り、太陽を直接見ることは一瞬でも絶対にやめましょう。

 ただし、特別な道具がなくても、簡単に安全に日食を見る方法があります。一つは葉の生い茂った木の下へ行ってみましょう。日食が進むにつれ地面の木漏れ日が太陽の欠けた姿で映っていることが分かります。

 あるいは紙に小さな穴をあけましょう。それを日なたに持っていくと、地面に紙の影が映ります。その穴のあいた部分からの光は、やはり地面で太陽が欠けていく姿で映っています。これらピンホールの原理を利用することで、今日すぐにでも、安全に日食の様子を楽しむことができます。


 
 スペースパークでは、郡山駅西口駅前広場と展望ロビーにて、部分日食を楽しむ観望会と、皆既日食の中継を行います。世界天文年の今年に起きる一大イベントをお楽しみください。

(郡山市ふれあい科学館 事業課 安藤 享平)

2009年7月22日 福島民友新聞 郡山版「世界天文年 宇宙の魅力」より