星の広場

秋おすすめ 木星を見てみよう


ビッグアイと木星(9月3日撮影)

 

 9月になりましたが、昼間の暑さはまだ続いていますね。しかし夜、耳を澄ませば虫の声も大きくなり、秋も一歩ずつ近づいているのを感じます。今回はこの秋におすすめの星、木星を紹介しましょう。

 木星は英語でジュピター(Jupiter)と呼ばれています。太陽系の惑星の中では一番大きな天体で、その直径は地球の約11倍もあります。大きいため重力も強く、近くを通る天体を引き寄せてしまいます。先日、日本のアマチュア天文家が木星への小天体衝突による閃光現象をビデオにおさめたことが話題にもなりました。

 そんな木星を夜空で探してみましょう。最近、宵(よい)の東の空に「なんだか明るい星があるなぁ…」と思った方はいませんか? きっとその星が木星です。マイナス2等星以上の明るさで見え、明るい星が少ないちょっとさみしい秋の星空にひときわ明るく見えているので、みなさんもすぐに見つけられるでしょう。この木星はこれから年内、冬にかけて楽しむことができます。



木星には目玉があるの!?

 

 肉眼で見ると他の星と変わらなく見える木星を望遠鏡で覗いて見ると、きれいなしま模様をしています。白く見える部分は雲が盛り上がっているところ、暗く見える部分は雲が低くなっているところです。そして大きな望遠鏡で倍率を上げて見ると、目玉のようなものが!! これは「大赤班(だいせきはん)」と呼ばれる台風のような渦。この渦は300年以上も見え続けているのです。



キャンペーンをPRするポスター

 

 ところで、木星は太陽になれなかった星だということ、みなさんは知っていましたか? 木星は主に水素とヘリウムのガスでできているガス惑星。実は太陽も同じく水素やヘリウムでできている恒星です。もしも木星が今よりも50倍以上大きかったら中心核が燃えて、太陽のように自分自身で輝く恒星になっていたかもしれないのです。

 でも、私たちにとっては木星が惑星でよかったですよね。もしも木星が恒星になっていたら…地球に太陽が二つも!? 地球に生命は誕生しなかったかもしれないのです。

 ふれあい科学館では12月まで毎月、駅前観望会を開催しています。2010年は「一週間の7天体を全部見ようよ!キャンペーン」も実施中です。7天体のいずれかを観望すると、オリジナルカードがもらえます。見ごろを迎える木星の観望に、仕事帰りや買い物帰りに気軽にお立ち寄りください。

 空気が澄み夜空が綺麗に見えるこの季節、秋の夜長を星や月と共に楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

(事業課 小野寺 基)

2010年9月16日 福島民報新聞 情報ナビ[たいむ] 「スペースパーク便り」より