郡山市ふれあい科学館では2022年12月17日(土)に、第39回 星の講演会「人類が初めて見たブラックホールの姿」を開催しました。

 今回は、国立天文台水沢VLBI観測所教授 本間希樹先生にお越しいただき、ブラックホールの姿からその撮影方法、さらには今後のブラックホール観測の展望まで幅広くお話いただきました。

 

 本間先生が所長を務める水沢VLBI観測所は岩手県にあり、約120年前に緯度観測所としてその歴史が始まりました。まずは観測所とその歴史をご紹介いただきました。

 現在、水沢観測所と国内外の観測所とを結び、VLBIという観測手法により精度の高い観測を行っています。他の観測所と同時に同じ天体を観測することで、電波望遠鏡1台では探ることが難しいような電波源を探ることができ、より鮮明な観測をすることができることを紹介いただきました。

 次に謎の多いブラックホールはそもそもどのような天体なのか、今分かっている姿をご紹介いただきました。2019年に発表されたM87の銀河中心にあるブラックホールは、人類が初めて見たブラックホールの姿です。そして2022年には第2号目となる銀河系中心にあるいて座A*のブラックホール撮影成功の発表がありました。2号目のブラックホールを可視化するとき、一晩撮影を続けている中で天体が激しく動くことからブレた写真になってしまいます。そのお話からブラックホール撮影とそれを写真にするまでの難しさを感じました。

 これまで2つのブラックホールの姿を撮影していますが、今後は写真ではなく、動画での観測を目指しています。これからのブラックホール研究に期待が高まり、ブラックホールの魅力をさらに感じました。質問コーナーでは、お子さまや中学生、高校生ならではの視点からの質問・疑問に対し、ブラックホールの謎の深い姿やさらなる観測方法へ期待などをお答えいただきました。分かりやすく、ユーモアを交えながらのご講演は、みなさまにとって充実した楽しい時間となったようです。

 本間先生、ご参加のみなさま、本当にありがとうございました。