郡山市ふれあい科学館では2023年3月4日(土)に、星のソムリエ®シンポジウム関連企画特別講演会「"ほんと"の夜空がある福島」を開催しました。

 今回は、福島県出身の天文学者で当館名誉館長の渡部潤一先生にお越しいただき、福島の星空の美しさや天文学の歴史を通して星空を見上げる大切さをお話いただきました。

 

 はじめに高村光太郎の歌集『智恵子抄』にある「福島には"ほんと"の空がある」というフレーズを例に福島には全国的に見てもまだまだ暗く美しい星空が残っていることを紹介されました。その時にプラネタリウムで郡山、いわき、大内宿の星空を再現し、見え方の違いも味わっていただきました。街中は空が明るく星の数は少ないですが、これからの工夫でまだまだ美しい星空を取り戻すこともできます。

 また、福島には日本天文遺産に登録された会津藩校日新館天文台跡などの天文学の歴史も深く残っています。こうした星空や文化・歴史を守っていくことが大切だとお話しされていました。

 国際天文学連合(IAU)では、「Under One Sky/ひとつ空の下で」というスローガンを掲げています。国境やジェンダーを超えて同じ空の下で過ごしていることを思い出してほしいとメッセージを伝えていただきました。今も世界では戦争が起こっていますが、星空を見て宇宙を考えることで平和な世界ができるというお話もありました。ちょっとした時間に空を見上げたり、話題になる天文現象をきっかけにして、その先に宇宙があることを思い出してほしいとお話しされていました。

 今回の講演会は地元のみなさんとシンポジウムのために県外からお越しになったみなさんに、福島の星空の魅力をお伝えすることができました。

 講演していただきました渡部潤一先生、そして、参加されたみなさま、本当にありがとうございました。