郡山市ふれあい科学館では2023年8月12日(土)に、APRIM2023(アジア太平洋地域の天文学に関する国際会議)のパブリックレクチャー(一般向け公開講演会)をAPRIM2023組織委員会などとの共催で開催しました。
司会進行はAPRIM2023科学組織委員長の林 左絵子先生です。林先生は子どものころ郡山にお住まいで、当時の景色が残っている場所にも足を運ばれたそうです。
「今回の国際会議の参加者は、郡山の素敵な自然、地元の皆さまの暖かい心、復興に進む姿を感じ取ることができました。」と、今回の開催の大きな意義でもある、世界に福島の復興を発信することについて紹介されました。
APRIM2023組織委員長で名誉館長の渡部潤一先生が主催者挨拶を行い、「宇宙が、基礎科学がいかに面白いかを今回の講演で再認識し、楽しい学びの時間を過ごしてほしい。」と参加者の皆さんに呼びかけました。
最初の講演は、日本学術会議会長で東京大学卓越教授の梶田隆章先生です。演題は「神岡の地下から探る宇宙の謎」で、ニュートリノや重力波といった電磁波以外の方法で宇宙を理解する方法について、歴史や原理を交えながらこれまでの発見と現在の取り組み、ハイパーカミオカンデなどの新たなプロジェクトについてご紹介いただきました。
「ニュートリノや重力波での観測によってわかる宇宙の謎にぜひ期待してほしい。」と締めくくられました。
続いて、カリフォルニア大学バークリー校教授で東京大学特別教授の村山斉先生は「私たちはどこから来たのか」という演題で、人類誕生以来の疑問に現在の科学が迫りつつあることをご紹介いただきました。
宇宙を見る望遠鏡はタイムマシンの役割を果たし、過去の宇宙の姿を理解してきたこと、加速器でビッグバン直後の宇宙を作りダークマターの謎を解明しようとしている現状を解説され、「まだまだ実験をしながら、宇宙の謎を解いていかなければならない」とまとめられました。
講演後には数多くの質問が寄せられ、先生方に丁寧にお答えいただきました。
今回は会場のほかオンライン配信でも数多くの方にご参加いただきました。登壇された先生方、参加された皆様、ありがとうございました。