5月10日は「地質の日」となっております。「地質」とは、大地を構成する地層、岩石、土壌などの性質のことです。地質の日は、地質への理解を推進する日として、アメリカの地質学者ライマンらによって日本で初めて広域的な地質図「日本蝦夷地質要略之図」が作成された5月10日と定められました。
そこで郡山市ふれあい科学館では、この地質の日を記念いたしまして、2018年5月27日に身近な郡山市内の地層から化石を発掘する講座「地質の日記念 野外講座 郡山で化石をさがそう」を福島県立博物館と連携して開催いたしました。
博物館などで見学できる化石。今回はその化石を実際に発掘しに行きました。発掘場所は郡山市で管理されている土地であるため、郡山市の許可を得て発掘を行いました。
はじめに、講師である福島県立博物館学芸員の先生から、地層や化石について、さらに、ハンマーやタガネなどの発掘道具の使い方について、説明してもらいました。
そして、いよいよ化石発掘に挑戦です。学芸員の先生方に教わりながら、化石の入った岩石を探しました。参加者の皆さんは、化石の入った岩石を見つけると、夢中になって化石を掘り出していました。今回化石を発掘した地層は、「堀口層」と呼ばれる1200万~1500万年前の海の地層で、さまざまな貝の化石を発掘できました。このあたりの場所は、大昔には海だったのですね。
化石の入った岩石を集めた後は、その岩石を持って科学館に戻りました。
科学館では、化石のまわりの岩石を取り除く「クリーニング」と呼ばれる作業を体験しました。小さめのハンマーと細いタガネを使って、化石を割らないように、まわりの岩石を少しずつ慎重に取り除き、形や大きさを整えました。
最後は、きれいになった化石を壊れにくくするため、化石のまわりにプラスチック樹脂を塗りました。さらに、発掘した日付やそれぞれの化石の和名や学名を記録したカードも作りました。自分の手で発掘した本物の化石を大切にしてくださいね。
当館では、今後もこうした郡山の自然科学に関する講座も行ってまいりたいと思いますので、興味のある方は、ぜひまたご参加ください。