郡山市ふれあい科学館では、企画展「水の惑星『地球』展 -海と宇宙から知る地球のすがた-」の関連イベントとして、2022年3月21日(月・祝)に福島大学と連携して、おもしろ科学びっくり箱「アートで謎解き〈海〉のふしぎ」を開催しました。

 講師には、美術解剖学を専門とする福島大学人間発達文化学類教授の渡邊 晃一 先生をお迎えしました。

 

 まずは、渡邊先生から企画展に展示するアート作品などを紹介いただきました。

 参加者には、海の研究機関JAMSTECの協力のもと製作した日本周辺の海溝立体地形図や、深海の水や泥で製作した作品などをご覧いただきました。

 特に関心を集めたのが、実際の縮尺をもとにした立体地形図です。デコボコしているだけなく、蓄光塗料を流して水が溜まりやすい場所が濃くなるように塗装されているため、参加者には地球の表面を視覚と触覚で楽しみながら感じていただけました。

 さまざまな作品を見たあとで、いよいよ魚の絵を描くワークのスタートです。

 最初は、何も見ないで魚を描いてみます。皆さんこの時点でとても素敵な絵が描けていましたが、渡邊先生のお話を聞くと...、まるで本物のお魚が画用紙の中を泳いでいるような絵になりました!

 ヒミツは、本物の魚の姿を見てその動きを理解することです。例えば、同じ海の生き物でもイルカと魚の尾びれの形は違います。動きをよく見てみると、イルカは上下にヒレを振りますが、魚は左右にヒレを振ります。このような骨格と動きの関係を理解することで、よりリアルな生き物の絵を描くことができます。

 渡邊先生には、魚類から人類までの進化の過程をたどって、骨格と動きの関係を写真や本物の魚、骨格標本などを使って、丁寧に楽しく解説いただきました。お話を聞いた後、大人の方はもちろん、小学生のお子さんも、図鑑やフィギュア、標本などをお手本に、注意深く魚の身体の形やヒレの動きを確認して描いていたのが印象的でした。

 今回の講座を通して、生き物が生きるリアルな姿に関心を寄せていただく機会になった思います。

 

 渡邊先生、お手伝いいただいた学生の皆様、本当にありがとうございました。